・再発/難治性骨肉腫患者が対象の第1/2相試験
・エトポシド+イホスファミド+レンビマ併用療法の有効性・安全性を検証
・第2相試験推奨用量はレンビマ14mg/m2であり、4ヶ月無増悪生存率51%を示す
2021年8月17日、医学誌『The Lancet Onoclogy』にて再発/難治性骨肉腫患者に対するエトポシド+イホスファミド+マルチキナーゼ阻害薬であるレンビマ(一般名:レンバチニブ、以下レンビマ)併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT02432274)の結果がGustave Roussy Cancer CentreのNathalie Gaspar氏らにより公表された。
本試験は、再発/難治性骨肉腫患者に対して21日を1サイクルとして1~3日目にエトポシド100mg/m2+イホスファミド3000mg/m2+1日1回レンビマ11mg~24mg/m2を最大5サイクル投与し、第1相試験の主要評価項目として第2相試験推奨用量(RP2D)を、第2相試験の主要評価項目として4ヶ月無増悪生存率(PFS)を検証した多施設共同オープンラベルの第1/2相試験である。
本試験が開始された背景として、マルチキナーゼ阻害薬であるレンビマは骨肉腫に対して良好な抗腫瘍効果を示し、化学療法の有効性を高める可能性が示唆されている。以上の背景より、再発/難治性骨肉腫患者に対するエトポシド+イホスファミド+レンビマ併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。
本試験の結果、用量制限毒性(DLT)は1日1回レンビマ11mg/m2群で1人、1日1回レンビマ14mg/m2群で2人が確認され、主要評価項目である第2相試験推奨用量(RP2D)は21日を1サイクルとして1~3日目にエトポシド100mg/m2+イホスファミド3000mg/m2+1日1回レンビマ14mg/m2と決定された。
第2相試験推奨用量(RP2D)により治療された患者は35人で、同患者群における4ヶ月無増悪生存率(PFS)は51%(95%信頼区間:34~69%)を示した。最も多くの患者で確認されたグレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症77%(N=27/35人)、血小板減少症71%(N=25/35人)、貧血54%(N==19/35人)、白血球数減少54%(N=19/35人)。重篤な有害事象(SAE)発症率は74%(N=26/35人)、治療関連有害事象(TRAE)による死亡は確認されなかった。
以上の第1/2相試験の結果よりNathalie Gaspar氏らは「再発/難治性骨肉腫患者に対するエトポシド+イホスファミド+マルチキナーゼ阻害薬レンビマ併用療法は、良好な抗腫瘍効果を示しました。また、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなく、既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致していました。これらの知見は現在進行中の第2相試験でさらに検討する必要があります」と結論を述べている。