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進行性肝細胞がんに対するファーストライン治療としてのオプジーボ単剤療法、全生存期間16.4ヶ月を示す

この記事の3つのポイント
・進行性肝細胞がん患者が対象の第3相試験
ファーストラインとしてのオプジーボ単剤療法の有効性安全性をソラフェニブ単剤療法と比較検証
全生存期間はオプジーボ単剤群で16.4ヶ月、ソラフェニブ単剤群で14.7ヶ月を示し、統計学的有意な改善は認めず

2021年12月13日、医学誌『The Lancet Oncology』にて進行性肝細胞がん患者に対するファーストライン治療として抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)単剤療法の有効性、安全性をソラフェニブ単剤療法と比較検証した第3相のCheckMate 459試験(NCT02576509)の結果がUniversity of Hong KongのThomas Yau氏らにより公表された。

CheckMate 459試験は、進行性肝細胞がん患者に対するファーストライン治療として2週を1サイクルとしてオプジーボ240mg単剤を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与する群(N=371人)、または1日2回ソラフェニブ400mg単剤を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与する群(N=372人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)を比較検証したランダム化オープンラベルの第3相試験である。

本試験が開始された背景として、進行性肝細胞がん患者に対するオプジーボ単剤療法は持続的な抗腫瘍効果、管理可能な安全性が第1/2相のCheckMate 040試験で確認されている。以上の背景より、進行性肝細胞がん患者に対するソラフェニブ単剤療法と比較したオプジーボ単剤療法の有用性を比較検証する目的で本試験が開始された。

本試験のフォローアップ期間中央値(オプジーボ単剤群15.2ヶ月、ソラフェニブ単剤群13.4ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である全生存期間(OS)中央値は、オプジーボ単剤群の16.4ヶ月(95%信頼区間:13.9-18.4ヶ月)に対して、ソラフェニブ単剤群で14.7ヶ月(95%信頼区間:11.9-17.2ヶ月)と、オプジーボ単剤群で死亡(OS)のリスクが15%(HR:0.85、95%信頼区間:0.72-1.02、P=0.075)減少した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。手足症候群はオプジーボ単剤群の1%未満(N=1人)に対してソラフェニブ単剤群で14%(N=52人)、AST増加は6%(N=22人)に対して4%(N=13人)、高血圧は0%に対して7%(N=26人)をそれぞれ示した。重篤な有害事象(SAE)発症率はオプジーボ単剤群の12%(N=43人)に対してソラフェニブ単剤群で11%(N=39人)、治療関連有害事象(TRAE)による死亡はオプジーボ単剤群で4人、ソラフェニブ単剤群で1人であった。

以上のCheckMate 459試験の結果よりThomas Yau氏らは「進行性肝細胞がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法は、ソラフェニブ単剤療法に比べて全生存期間(OS)を統計学的有意に改善しませんでした。一方、安全性は管理可能であり、チロシンキナーゼ阻害薬血管新生阻害薬等が禁忌、投与リスクのある患者さんの治療選択肢になり得る可能性が示唆されました」と結論を述べている。

Nivolumab versus sorafenib in advanced hepatocellular carcinoma (CheckMate 459): a randomised, multicentre, open-label, phase 3 trial(Lancet Oncol. 2021 Dec 13;S1470-2045(21)00604-5. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00604-5.)

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