・未治療の転移性または切除不能なメラノーマ患者が対象の第2/3相試験
・ファーストラインとしてのRelatlimab(レラトリマブ)+オプジーボの有効性・安全性をオプジーボ単剤と比較検証
・無増悪生存期間はRelatlimab+オプジーボ併用で群10.1ヶ月と、オプジーボ単剤群(4.6ヶ月)に対して統計学的有意な延長を示した
2022年1月6日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対するファーストライン治療としての抗LAG-3抗体であるRelatlimab(レラトリマブ)+抗PD-L1抗体であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2/3相のRELATIVITY-047(CA224-047)試験(NCT03470922)の結果がMD Anderson Cancer CenterのHussein A. Tawbi氏らにより公表された。
RELATIVITY-047(CA224-047)試験は、未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)患者(N=714人)に対するファーストライン治療としてRelatlimab 160mg+オプジーボ480mg併用療法を実施する群(N=355人)、または4週を1サイクルとしてオプジーボ480mg単剤療法を実施する群(N=359人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として盲検下独立中央評価委員会(BICR)評価による無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)を比較検証した無作為化二重盲検下の第2/3相試験である。
本試験が開始された背景として、抗LAG-3抗体、抗PD-L1抗体を併用することよりにT細胞の不活性化を促進する。治療歴のある転移性または切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)に対して十分な抗腫瘍効果を示しており、忍容性も良好である。以上の背景より、未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)に対するファーストライン治療としてのRelatlimab+オプジーボ併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。
本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は、Relatlimab+オプジーボ併用群の10.1ヶ月(95%信頼区間:6.4-15.7ヶ月)に対してオプジーボ単剤群で4.6ヶ月(95%信頼区間:3.4-5.6ヶ月)と、Relatlimab+オプジーボ併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを25%減少(HR:0.75、95%信頼区間:0.62-0.92、P=0.006)した。また、12ヶ月無増悪生存率(PFS)は、Relatlimab+オプジーボ併用群の47.7%(95%信頼区間:41.8-53.2%)に対してオプジーボ単剤群で36.0%(95%信頼区間:30.5-41.6%)を示した。
一方の安全性として、グレード3もしくは4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、Relatlimab+オプジーボ併用群の18.9%に対してオプジーボ単剤群で9.7%であった。
以上のRELATIVITY-047(CA224-047)試験の結果よりHussein A. Tawbi氏らは「未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対するファーストライン治療としての抗LAG-3抗体Relatlimab+抗PD-L1抗体オプジーボ併用療法は、オプジーボ単剤療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を改善し、安全性としても新たな問題は生じませんでした」と結論を述べている。