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未治療の早期トリプルネガティブ乳がんに対する術前化学療法としてのキイトルーダ+化学療法併用、無イベント生存期間を統計学的有意に改善

この記事の3つのポイント
・未治療の早期トリプルネガティブ乳がん患者が対象の第3相試験
術前化学療法としてキイトルーダ+化学療法の有効性安全性を化学療法と比較検証
・36ヶ月無イベント生存率はキイトルーダ+化学療法群84.5%であり、プラセボ+化学療法群に対して改善を示した

2月10日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて未治療の早期トリプルネガティブ乳がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)+パクリタキセル+カルボプラチン併用療法の有効性、安全性を化学療法と比較検証した第3相のMK-3475-522/KEYNOTE-522試験(NCT03036488)の結果がImperial College LondonのPeter Schmid氏らにより公表された。

MK-3475-522/KEYNOTE-522試験は、未治療の早期トリプルネガティブ乳がん患者(N=1174人)に対する術前化学療法として3週を1サイクルとしてキイトルーダを200mg+パクリタキセル+カルボプラチン併用療法を4サイクル実施後、3週を1サイクルとしてキイトルーダを200mg+エピルビシンもしくはドキソルビシン+シクロホスファミド併用療法を4サイクル実施する群(N=784人)、または3週を1サイクルとしてプラセボ+パクリタキセル+カルボプラチン併用療法を4サイクル実施後、3週を1サイクルとしてプラセボ+エピルビシンもしくはドキソルビシン+シクロホスファミド併用療法を4サイクル実施する群(N=390人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として病理学的完全寛解率(pCR)、無イベント生存期間(EFS:根治的手術を妨げる疾患の進行、局所または遠隔再発、二次がん、または何らかの原因による死亡をイベントとして定義)を比較検証した二重盲検下の第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値39.1ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である36ヶ月無イベント生存率(EFS)はキイトルーダ+化学療法群の84.5%(95%信頼区間:81.7-86.9%)に対してプラセボ+化学療法群で76.8%(95%信頼区間:72.2-80.7%)と、キイトルーダ+化学療法群でイベント(EFS)リスクを37%減少(HR:0.63、95%信頼区間:0.48-0.82、P<0.001)した。

一方の安全性として、術前化学療法中に確認された有害事象(AE)は既存の安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。

以上のMK-3475-522/KEYNOTE-522試験の結果よりPeter Schmid氏らは「未治療の早期トリプルネガティブ乳がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-1抗体薬キイトルーダ+化学療法、術後療法としての抗PD-1抗体薬キイトルーダ+化学療法は無イベント生存期間(EFS)を統計学的有意に改善しました」と結論を述べている。

Event-free Survival with Pembrolizumab in Early Triple-Negative Breast Cancer(N Engl J Med. 2022 Feb 10;386(6):556-567. doi: 10.1056/NEJMoa2112651.)

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