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オプジーボ、尿路上皮がんの術後補助療法の適応取得

3月28日、小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は、ヒトPD-1モノクローナル抗体オプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)について、尿路上皮がんにおける術後補助療法を新規適応症として国内製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表した。

尿路上皮がんは、腎盂、尿管、膀胱、尿道に発生する腫瘍。そのほとんどは膀胱がんであり、日本における新規患者数は約3万7千人/年、死亡者数は1万1千人/年と報告されている。膀胱がんの標準治療は、術前補助化学療法と根治的切除術である。しかし、根治的切除を行っても50%以上が再発すると言われており、転移性がんとして再発した場合は予後不良である。そのため、再発抑制を目的とした術後補助療法への医療ニーズは高いと示唆されている。

今回の承認は、第3相CheckMate-274試験(ONO-4538-33)の結果に基づくもの。同試験は、膀胱、腎盂または尿管が原発である根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮がん患者を対象に2週間を1サイクルとしてオプジーボ240mg単剤投与する群とプラセボを投与する群に1:1の割合で割り付け有効性を比較検証した多施設国際共同無作為化二重盲検第3相試験である。主要評価項目は、全患者ならびにPD-L1発現レベルが1%以上の患者における無病生存期間DFS)、主な副次評価項目は、全生存期間OS)、非尿路上皮無再発生存期間および疾患特異的生存期間であった。

同試験の結果、全患者における無病生存期間(DFS)は、オプジーボ単剤群の20.8ヶ月に対して、プラセボ群で10.8ヶ月を示し、オプジーボ単剤群で再発または死亡リスクが30%減少し、統計学的に有意な延長を示した(HR:0.70、98.22%信頼区間:0.55-0.90、P=0.0008)。また、PD-L1発現レベルが1%以上の患者における無病生存期間(DFS)は、オプジーボ単剤群で未到達、プラセボ群で8.4ヶ月を示し、オプジーボ群で再発または死亡リスクが45%減少し、統計学的有意な改善を認めた(HR: 0.55、98.72%信頼区間:0.35-0.85、P=0.0005)。

なお、同試験で確認されたオプジーボ単剤療法安全性プロファイルは、これまでにオプジーボの固形がんの試験で認められているものと一貫していた。

オプジーボは、2014年に日本国内において悪性黒色腫で承認されて以降、複数のがん腫における治療選択肢となっており、韓国や中国、米国、EUを含む65ヶ国以上で承認されている。肝細胞がん、卵巣がん、膀胱がん、前立腺がん、膵がん、胆道がんなどを対象とした臨床試験も実施中。

オプジーボとは
オプジーボは、免疫チェックポイント阻害薬のひとつ。programmed death-1(PD-1)とPD-1リガンドの経路を阻害することで、身体の免疫系を利用してがんを攻撃する。

参照元:
小野薬品工業株式会社 ニュースリリース

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