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国内初のKRAS G12C阻害薬ルマケラス、がん化学療法後の非小細胞肺がんの適応で発売

4月20日、アムジェン株式会社はKRAS G12C阻害剤であるルマケラス錠120mg(一般名:ソトラシブ、以下ルマケラス)について、がん化学療法後に増悪したKRAS G12C変異陽性の切除不能な進行/再発の非小細胞肺がんを適応症として販売を開始したと発表した。これにより同剤はKRAS G12C遺伝子変異に対する国内初の薬剤となる。

非小細胞肺がんは、肺がんのうち約9割を占め、腺がん扁平上皮がん、大細胞がんなどを含む。KRAS G12C変異は非小細胞肺がんで発見されるドライバー遺伝子変異の1つであり、日本人では非扁平上皮がんの4.5%に認められる。一次療法では免疫チェックポイント阻害薬抗がん剤による治療を行うが、二次治療以降の選択肢は非常に限定的であるため、高いアンメット・メディカル・ニーズがある。

今回の発売はソトラシブの臨床開発プログラム「CodeBreaK」の結果に基づくもの。KARS G12C遺伝子変異を有する固形がん患者を対象とした第1/2相CodeBreaK100試験では客観的奏効率を、KRAS G12C遺伝子変異を有する全治療歴のある切除不能局所進行性/転移性非小細胞肺がん患者を対象とした第3相CodeBreaK200試験では無増悪青邨機関、全生存期間などを評価した。その結果を踏まえ、同剤は2021年3月に希少疾病用医薬品の指定を受けていた。

アムジェンのオンコロジー事業部長である山崎挙央氏は「KRAS遺伝子変異は、肺がん領域において最も古くから同定されているがんドライバー遺伝子変異の一つでありながら、その分子構造上、治療薬を開発することが非常に難しく、過去40年近くもの間『undruggable(薬にすることができない)』と言われてきました。また、KRAS G12C変異を有する非小細胞肺がん患者さんのうち、がん化学療法後に増悪した患者さんの二次治療の治療選択肢は限られており、高いアンメット・メディカル・ニーズが存在します。この度、KRAS G12C変異を有する切除不能な進行・再発のNSCLC患者さんにルマケラスという新しい治療選択肢をお届けできることを大変嬉しく思います」と述べている。

ルマケラス(ソトラシブ)とは
ルマケラス(ソトラシブ)は1日1回の経口投与のKRAS G12C阻害剤。同剤はKRAS G12C阻害剤として、世界で初めて米国で迅速承認されて以降、日本、アラブ首長国連邦、EU、英国、オーストラリア、カナダ、韓国、スイスおよびブラジルで承認されている。現在、種々の進行固形がんを対象としてソトラシブの単剤療法および併用療法を検討する複数の第1b相試験(CodeBreaK 101)への患者の組み入れやKRAS G12C変異を有するステージⅣの非小細胞肺がん患者の一次治療におけるソトラシブを評価する第2相無作為化試験(CodeBreaK 201)を行っている。

参照元:
アムジェン株式会社 プレスリリース

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