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治療歴のあるKRASG12C遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんに対するKRAS阻害薬Adagrasib単剤療法、良好な抗腫瘍効果を認める

この記事の3つのポイント
・治療歴のあるKRASG12C遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん患者が対象の第1/2相試験
・Adagrasib単剤単剤の有効性安全性を検証
・客観的奏効率は42.9%、奏効持続期間は8.5ヶ月、無増悪生存期間6.5ヶ月を示した

6月3日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて治療歴のあるKRASG12C遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん患者に対するKRAS阻害薬であるAdagrasib(アダグラシブ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のKRYSTAL-1試験(NCT03785249)の結果がPasi A. Jänne氏らにより公表された。

KRYSTAL-1試験は、治療歴のあるKRASG12C遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん患者(N=116人)に対して1日2回Adagrasib 600mg単剤を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間OS)、安全性等を検証した第1/2相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値12.9ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は42.9%(N=48人)を示した。副次評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値は8.5ヶ月(95%信頼区間:6.2-13.8ヶ月)、無増悪生存期間(PFS)中央値は6.5ヶ月(95%信頼区間:4.7-8.4ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は12.6ヶ月(95%信頼区間:9.2-19.2ヶ月)をそれぞれ示した。

一方の安全性として、治療関連有害事象(TRAE)発症率は97.4%を示し、その内訳はグレード1もしくは2の治療関連有害事象(TRAE)が52.6%、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)が44.8%、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率は6.9%を示した。

以上のKRYSTAL-1試験の結果よりPasi A. Jänne氏らは「治療歴のあるKRASG12C遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん患者に対するKRAS阻害薬Adagrasib単剤療法は、良好な抗腫瘍効果を示し、新たな有害事象(AE)も確認されませんでした」と結論を述べている。

Adagrasib in Non–Small-Cell Lung Cancer Harboring a KRASG12C Mutation(N Engl J Med. 2022 Jun 3. doi: 10.1056/NEJMoa2204619.)

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