・未治療のマントル細胞リンパ腫患者が対象の第3相試験
・イムブルビカ+ベンダムスチン+リツキシマブ併用療法併用療法の有効性・安全性をプラセボと比較検証
・無増悪生存期間は80.6ヶ月を示し、プラセボ+ベンダムスチン+リツキシマブ群(52.9ヶ月)に対して
統計学的有意に延長した
6月30日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて未治療のマントル細胞リンパ腫(MCL)患者に対するブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬であるイムブルビカ(一般名:イブルチニブ、以下イムブルビカ )+ベンダムスチン+リツキシマブ併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相試験(NCT01776840)の結果がMD Anderson Cancer CenterのMichael L. Wang氏らにより公表された。
本試験は、未治療のマントル細胞リンパ腫(MCL)患者(N=532人)に対して1日1回イムブルビカ560mg+ベンダムスチン90mg/m2(体表面積)+リツキシマブ375mg/m2併用療法を実施する群(N=262人)、もしくはプラセボ+ベンダムスチン90mg/m2(体表面積)+リツキシマブ375mg/m2併用療法を実施する群(N=270人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、その他評価効果として全生存期間(OS)、安全性などを検証した第3相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値84.7ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はイムブルビカ+ベンダムスチン+リツキシマブ併用群の80.6ヶ月に対してプラセボ+ベンダムスチン+リツキシマブ併用群で52.9ヶ月と、イムブルビカ+ベンダムスチン+リツキシマブ併用群は病勢進行または死亡(PFS)のリスクを25%減少(HR:0.75、95%信頼区間:0.59-0.96、P=0.01)した。
また、その他評価効果である完全奏効率(CR)はイムブルビカ+ベンダムスチン+リツキシマブ併用群の65.5%に対してプラセボ+ベンダムスチン+リツキシマブ併用群で57.6%を示した(P=0.06)。全生存期間(OS)は両群間で同程度であった。
一方の安全性として、グレード3もしくは4の有害事象(AE)はイムブルビカ+ベンダムスチン+リツキシマブ併用群の81.5%に対してプラセボ+ベンダムスチン+リツキシマブ併用群で77.3%であた。
以上の第3相試験の結果よりMichael L. Wang氏らは「未治療のマントル細胞リンパ腫(MCL)患者に対するブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬イムブルビカ+ベンダムスチン+リツキシマブ併用療法は、プラセボ+ベンダムスチン+リツキシマブ併用療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に改善しました。また、安全性プロファイルは既存の臨床試験で確認されている内容と一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はありませんでした」と結論を述べている。