8月17日、ソレイジア・ファーマ株式会社と日本化薬株式会社は、「再発/難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)」の治療薬として、抗悪性腫瘍剤/有機ヒ素製剤であるダルビアス点滴静注用135mg(一般名:ダリナパルシン、以下ダルビアス)の販売を8月22日より開始すると発表した。
末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)は、悪性リンパ腫のひとつであり、T細胞リンパ腫の中では患者数が比較的多いと言われている。しかし、初発・再発ともにPTCLの標準治療はなく、海外のガイドラインでは、臨床試験への参加や多剤併用化学療法が推奨されているアンメット・メディカル・ニーズが高い疾患である。
今回の発売は、国際共同第2相SP-02L02試験の結果に基づくもの。SP-02L02試験は、再発/難治性のPTCL患者を対象に新規作用機序の抗悪性腫瘍剤であるダルビアスの有効性と安全性を評価した日本主導の臨床試験である。同試験の結果により、2022年6月に日本国内での製造販売承認を取得していた。
ソレイジア代表取締役社長の荒井好裕氏は、プレスリリースにて「創業以来、当社は、日本人の2人に1人が罹患するがんの治療において、患者様の生活の質を解決する治療薬の開発に尽力してまいりました。今回の販売パートナーである日本化薬は、がん領域に強みを持つ国内有数の製薬企業であり、同社のがん領域における豊富な経験と強力な販売網によって、ダルビアスが全国のがん治療を行う医療機関に届けられ、再発又は難治性のPTCL治療に貢献できる機会を得られたことを大変嬉しく思います」と述べている。
また、日本化薬取締役常務執行役員医薬事業本部長の小泉和人氏は、同じくプレスリリースにて「この度のダルビアスの発売が、再発又は難治性のPTCL治療の新たな選択肢の1つとなり、患者様やそのご家族、医療関係者の皆さまに貢献できることを期待しております」と述べている。
ダルビアス(ダリナパルシン)とは
ダルビアス(ダリナパルシン)は、再発/難治性のPTCLの治療薬として新規の作用機序を有する抗悪性腫瘍剤。21日を1サイクルとして1~5日目に1日1回300mg/m2を投与する。
末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)とは
PTCLは、悪性リンパ腫の1種。悪性リンパ腫はホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の大きく2つに分類され、非ホジキンリンパ腫はB細胞リンパ腫とT細胞リンパ腫に分けられ、T細胞リンパ腫はさらに細分化される。PTCLはT細胞リンパ腫の中では比較的患者数が多いと報告されている。