・未治療の転移性進行性腎細胞がん患者が対象の第3相試験
・オプジーボ+ヤーボイ併用療法の有効性・安全性をスーテント群併用群と比較検証
・オプジーボ+ヤーボイ群で死亡のリスクを34%減少した
2020年2月13日~15日まで米国・サンフランシスコで開催されている泌尿器がんシンポジウム2020 (Genitourinary Cancers Symposium)にて、未治療の転移性進行性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;ヤーボイ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate-214試験(NCT02231749)の42ヶ月フォローアップの長期結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのNizar M. Tannir氏らにより公表された。
CheckMate-214試験とは、未治療の転移性進行性腎細胞がん患者に対して3週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg+ヤーボイ1mg/kg併用療法を4サイクル投与後、2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を投与する群、または1日1回スニチニブ(商品名スーテント;以下スーテント)50mg単剤療法を4週間投与し、2週間休薬を投与する群(N=397人)に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)を比較検証したランダム化オープンラベルの第3相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値42ヶ月時点における、中/高リスク(Intermediate/Poor)患者群、全患者群別における結果は下記の通りである。中/高リスク(Intermediate/Poor)患者における42ヶ月全生存率(OS)はオプジーボ+ヤーボイ群52%に対してスーテント群39%、オプジーボ+ヤーボイ群で死亡(OS)のリスクを34%(HR:0.66,95%信頼区間:0.55−0.80)減少した。客観的奏効率(ORR)はオプジーボ+ヤーボイ群42%に対してスーテント群26%(P=0.0001)、完全奏効率(CR)はオプジーボ+ヤーボイ群10%に対してスーテント群1%、奏効持続期間(DOR)中央値はオプジーボ+ヤーボイ群未到達に対してスーテント群19.7ヶ月(95%信頼区間:16.4-26.4ヶ月)を示した。
全患者群における結果は下記の通りである。42ヶ月全生存率(OS)はオプジーボ+ヤーボイ群56%に対してスーテント群47%、オプジーボ+ヤーボイ群で死亡(OS)のリスクを28%(HR:0.72,95%信頼区間:0.61-0.86)減少した。客観的奏効率(ORR)はオプジーボ+ヤーボイ群39%に対してスーテント群33%(P=0.02)、完全奏効率(CR)はオプジーボ+ヤーボイ群11%に対してスーテント群2%、奏効持続期間(DOR)中央値はオプジーボ+ヤーボイ群未到達に対してスーテント群24.8ヶ月(95%信頼区間:19.4-27.3ヶ月)を示した。
以上のCheckMate-214試験の長期フォローアップの結果より、Nizar M. Tannir氏らは以下のように結論を述べている。”治療歴のある転移性進行性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法は、持続的で良好な抗腫瘍効果を示しました。”