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治療歴のある進行性非小細胞肺がん患者に対するキイトルーダ+ドセタキセル、ドセタキセル単剤に比べて客観的奏効率、無増悪生存期間を改善

この記事の3つのポイント
・治療歴のある進行性非小細胞肺がん患者が対象の第2相試験
キイトルーダドセタキセル併用療法の有効性安全性を比較検証
無増悪生存期間は病勢進行または死亡のリスクを76%減少した

2020年4月9日、医学誌『JAMA Oncology』にて治療歴のある進行性非小細胞肺がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)+ドセタキセル併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のPROLUNG試験(NCT02574598)の結果がNational Cancer InstituteのOscar Arrieta氏らにより公表された。

PROLUNG試験とは、治療歴のある進行性非小細胞肺がん患者に対して3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg+ドセタキセル75mg/m2併用療法を最大6サイクル投与し、その後維持療法としてキイトルーダ単剤療法を投与する群と、ドセタキセル75mg/m2単剤療法を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として客観的奏効率ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間OS)、安全性を比較検証した第2相試験である。

本試験が開始された背景として、プラチナ系抗がん剤療法後に病勢進行した免疫チェックポイント阻害薬ナイーブ進行性非小細胞肺がん患者に対する免疫チェックポイント阻害薬+化学療法の有用性を検証した臨床試験は少ない。以上の背景より、本試験が開始された。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)はキイトルーダ群42.5%に対してドセタキセル群15.8%、キイトルーダ群で統計学有意に高率であった(ORR:3.94,95%信頼区間:1.34-11.54,P=0.01)。また、EGFR遺伝子変異別の客観的奏効率(ORR)は下記の通りである。遺伝子変異のない患者群における客観的奏効率(ORR)はキイトルーダ群35.7%に対してドセタキセル群12.0%(P=0.06)、遺伝子変異のある患者群における客観的奏効率(ORR)はキイトルーダ群58.3%に対してドセタキセル群23.1%(P=0.14)を示した。

副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)はキイトルーダ群9.5ヶ月(95%信頼区間:4.2ヶ月-未到達)に対してドセタキセル群3.9ヶ月(95%信頼区間:3.2-5.7ヶ月)、キイトルーダ群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを76%減少(HR:0.24,95%信頼区間:0.13-0.46,P<0.001)した。また、EGFR遺伝子変異別の無増悪生存期間(PFS)は下記の通りである。遺伝子変異のない患者群における無増悪生存期間(PFS)はキイトルーダ群9.5ヶ月(95%信頼区間:3.9ヶ月-未到達)に対してドセタキセル群4.1ヶ月(95%信頼区間:3.5-5.3ヶ月)(P<0.001)。遺伝子変異のある患者群における無増悪生存期間(PFS)はキイトルーダ群6.8ヶ月(95%信頼区間:6.2ヶ月-未到達)に対してドセタキセル群3.5ヶ月(95%信頼区間:2.3-6.2ヶ月)(P=0.04)を示した。

以上のPROLUNG試験の結果よりOscar Arrieta氏らは以下のように結論を述べている。”治療歴のある進行性非小細胞肺がん患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ+ドセタキセル併用療法は、ドセタキセル単剤に比べて客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)を改善しました。”

Efficacy and Safety of Pembrolizumab Plus Docetaxel vs Docetaxel Alone in Patients With Previously Treated Advanced Non–Small Cell Lung Cancer(JAMA Oncol. 2020 Apr 9. doi: 10.1001/jamaoncol.2020.0409.)

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