※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。
非小細胞肺がん(NSCLC)の一次治療としてキイトルーダに米ブリストル マイヤーズ スクイブ社の抗CTLA-4抗体であるヤーボイを追加する効果を検証したKeynote-598試験で、米メルク社はこれ以上に良い結果は期待できなかっただろう。追加の毒性は別として、ヤーボイ併用による効果は「No」、つまり同試験で有効性は認められず、患者にはヤーボイの投与中止が勧められた。メルク社はこの結果を念頭に置いて試験を設計したのだろうが、ブリストル社にとってこれは恥ずべき事態であり、自社以外を責めようがない。
がんとの戦いで大きな可能性を秘めている免疫チェックポイントを標的にしているにもかかわらず、ヤーボイが毒性を有することはすでに広く認識されている。それでもブリストル社が実施した肺がんを対象とした重要な試験において、PD-1阻害薬にヤーボイを追加した効果があったかどうかを判断するのは、非常に困難であった。これが多くの開発者たちがCTLA-4の忍容性向上を求める探索を続けている理由である。この点ではメルク社も例外ではなく、同社のquavonlimabは大規模な中期開発プログラムが進行中だ。
さらに疑問なのは、ヤーボイが今後どこへ向かうのかということだ。オプジーボ+ヤーボイ併用療法は、肺がんの一次治療として承認されており、欧州でも先週(11月6日)承認を取得したばかりだ。しかし、この併用療法とキイトルーダ±化学療法のどちらかを選択しようとしている医師とって、その決断は確実に容易になった。
■出典
Merck’s bid to bump Bristol’s Yervoy succeeds