・マントル細胞リンパ腫患者が対象の第2相試験
・ファーストライン治療としてのレブラミド+リツキサン併用療法の有効性・安全性を検証
・7年長期フォローアップの結果、無増悪生存率60.3%、全生存率73.2%を示した
2020年12月5日~8日、オンラインミーティングで開催された第62回米国血液学会議(ASH 2020)にてマントル細胞リンパ腫(MCL)患者に対するファーストライン治療としてのレブラミド(一般名:レナリドミド、以下レブラミド)+リツキサン(一般名:リツキシマブ、以下リツキサン)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT01472562)の7年長期フォローアップ結果がWeill-Cornell MedicineのSamuel Yamshon氏らにより公表された。
本試験は、マントル細胞リンパ腫(MCL)患者に対するファーストライン治療として28日を1サイクルとして1~21日目に1日1回レブラミド20mg(維持療法では1日1回15mg)+1、8、15、22日目にリツキサン375mg/m2(維持療法では8週間隔に1回)併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)などを検証した第2相試験である。
本試験が開始された背景として、5年フォローアップ時点では客観的奏効率(ORR)92%、5年無増悪生存率(PFS)64%、5年全生存率(OS)77%を示しており、マントル細胞リンパ腫(MCL)患者に対するファーストライン治療としてのレブラミド+リツキサン併用療法は持続的な抗腫瘍効果を示している。以上の背景より、本治療の7年長期フォローアップの結果が公表された。
本試験のフォローアップ期間中央値86ヵ月時点における結果は下記の通りである。7年無増悪生存率(PFS)は60.3%(95%信頼区間:41.1%-75.0%)、7年全生存率(OS)は73.2%(95%信頼区間:55.9%-84.6%)を示した。
一方の安全性として、グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症42%、血小板減少症5%、貧血3%。なお、2人の患者は低ガンマグロブリン血症によりリツキサンを投与中止している。
以上の第2相試験の結果よりSamuel Yamshon氏らは「7年長期フォローアップの結果、マントル細胞リンパ腫(MCL)患者に対するファーストライン治療としてのレブラミド+リツキサン併用療法は持続的な抗腫瘍効果を示しました。また、治療関連有害事象(TRAE)は治療継続率を減少させる臨床的意義のある影響を与えませんでした。ファーストラインとしての治療選択肢に向けて今後さらなる評価が必要です」と結論を述べている。