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MSH-I/dMMR大腸がんに対するファーストラインとしてのキイトルーダ単剤療法、無増悪生存期間を有意に延長

この記事の3つのポイント
・高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)/DNA修復欠損(dMMR)進行性大腸がん患者が対象の第3相試験
キイトルーダ単剤療法の有効性安全性を比較検証した長期フォローアップの結果
無増悪生存期間はキイトルーダ群で16.5ヶ月と、化学療法群の8.2ヶ月に比べて統計学的有意な延長を示した

2021年1月15日~17日、オンラインミーティングで開催された2021 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI 2021)にて高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)/DNA修復欠損(dMMR)進行性大腸がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)単剤療法、標準化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のKEYNOTE-177試験(NCT02563002)の最終解析の結果がUniversity College London Hospitals・Kai-Keen Shiu氏らにより公表された。

KEYNOTE-177試験とは、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)/DNA修復欠損(dMMR)進行性大腸がん患者(N=307人)に対するファーストライン治療として3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤療法を最大35サイクル投与する群(N=153人)、または標準化学療法(mFOLFOX6/FOLFIRI±ベバシズマブ/セツキシマブ)を投与する群(N=154人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間OS)、副次評価項目として客観的奏効率ORR)を検証した第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値32.4ヶ月(24.0~48.3ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS) 中央値はキイトルーダ群の16.5ヶ月に対して標準化学療法群で8.2ヶ月と、キイトルーダ群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクが40%(HR:0.60、95%信頼区間:0.45-0.80、P=0.0002)統計学的有意に改善した。また、12ヶ月無増悪生存率(PFS) はキイトルーダの群55.3%に対して標準化学療法群で37.3%、24ヶ月無増悪生存率(PFS) はキイトルーダ群の48.3%に対して標準化学療法群で18.6%を示した。

副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はキイトルーダ群の43.8%に対して標準化学療法群で33.1%、奏効持続期間(DOR)中央値はキイトルーダ群の未到達(95%信頼区間:2.3-41.4ヶ月)に対して標準化学療法群で10.6ヶ月(95%信頼区間:2.8-37.5ヶ月)を示した。

一方の安全性として、グレード3の治療関連有害事象(TRAE)発症率はキイトルーダ群の22%に対して標準化学療法群で66%、グレード5の治療関連有害事象(TRAE)はキイトルーダ群で1人の患者も発症しなかった。

以上のKEYNOTE-177試験の最終解析の結果よりKai-Keen Shiu氏らは「高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)/DNA修復欠損(dMMR)進行性大腸がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法は、標準化学療法に比べて無増悪生存期間(PFS) を統計学的有意に改善し、治療関連有害事象(TRAE)発症率も低率でした」と結論を述べている。

KEYNOTE-177: Phase III randomized study of pembrolizumab versus chemotherapy for microsatellite instability-high advanced colorectal cancer.(2021 Gastrointestinal Cancers Symposium,Abstract No:6)

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