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再発インドレント非ホジキンリンパ腫に対するリツキサン+コパンリシブ併用療法、無増悪生存期間を改善

この記事の3つのポイント
・再発インドレント非ホジキンリンパ腫患者が対象の第3相試験
リツキサン+コパンリシブ併用療法有効性安全性をリツキサン+プラセボと比較検証
無増悪生存期間21.5ヶ月でリツキサン+プラセボの13.8ヶ月に比べて有意に延長した

2021年4月9日~14日、オンラインミーティングで開催された米国癌研究会(AACR 2021)にて、再発インドレント非ホジキンリンパ腫(iNHL)患者に対する抗CD20モノクローナル抗体であるリツキサン(一般名:リツキシマブ、以下リツキサン)+PI3K阻害薬であるコパンリシブ併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCHRONOS-3試験(NCT02367040)の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのMatthew J. Matasar氏らにより公表された。

CHRONOS-3試験とは、再発インドレント非ホジキンリンパ腫(iNHL)患者に対してリツキサンを第1サイクル目の1、8、15、22日目と第3、5、7、9サイクル目の1日目に37.5mg/m2+28日を1サイクルとして1、8、15日目にコパンリシブ60mg併用療法を投与する群(N=307人)、またはリツキサン+プラセボ併用療法を投与する群(N=151人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率ORR)、完全奏効率(CRR)、奏効持続期間(DOR)、全生存期間(OS)、治療関連有害事象(TRAE)などを比較検証した第3相試験である。

本試験に登録された458人の患者背景は下記の通りである。非ホジキンリンパ腫の組織学的分類は濾胞性リンパ腫(FL)60.0%、辺縁帯リンパ腫(MZL)20.7%、小リンパ球性リンパ腫(SLL)10.9%、原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫(WM/LPL)8.3%。年齢中央値は63歳(28~91歳)であった。

本試験のフォローアップ期間中央値19.2ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はリツキサン+コパンリシブ併用群21.5ヶ月(95%信頼区間:17.8ヶ月~33.0ヶ月)に対してリツキサン+プラセボ併用群13.8ヶ月(95%信頼区間:10.2ヶ月~17.5ヶ月)、リツキサン+プラセボ併用群に比べてリツキサン+コパンリシブ併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを48%減少(HR:0.52、95%信頼区間:0.39~0.69、P=0.000002)した。

なお、病勢進行または死亡(PFS)のリスク減少は濾胞性リンパ腫(FL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫(WM/LPL)すべての組織型で確認されている。

副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はリツキサン+コパンリシブ併用群80.8%に対してリツキサン+プラセボ併用群47.7%、完全奏効率(CRR)はリツキサン+コパンリシブ併用群33.9%に対してリツキサン+プラセボ併用群14.6%を示した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。高血糖でリツキサン+コパンリシブ併用群69.4%に対してリツキサン+プラセボ併用群56.4%、高血圧で49.2%に対して39.7%、下痢で33.6%に対して4.9%であった。重篤な有害事象(SAE)発症率はリツキサン+コパンリシブ併用群47.2%に対してリツキサン+プラセボ併用群18.5%、グレード5の治療関連有害事象(TRAE)発症率はリツキサン+コパンリシブ併用群2.0%に対してリツキサン+プラセボ併用群0.7%であった。

以上のCHRONOS-3試験の結果よりMatthew J. Matasar氏らは「再発インドレント非ホジキンリンパ腫(iNHL)患者に対する抗CD20モノクローナル抗体リツキサン+PI3K阻害薬コパンリシブ併用療法は、無増悪生存期間(PFS)を改善し、良好な抗腫瘍効果を示しました。以上の結果より、本治療は再発インドレント非ホジキンリンパ腫(iNHL)のすべての組織型において新しい治療選択肢になり得る可能性が示唆されました」と結論を述べている。

CHRONOS-3: Randomized Phase III study of copanlisib plus rituximab vs rituximab/placebo in relapsed indolent non-Hodgkin lymphoma (iNHL)(AACR Annual Meeting2021,Abstract CT001)

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