・再発/難治性古典的ホジキンリンパ腫患者が対象の第2相試験
・Camrelizumab(カムレリズマブ)単剤療法の有効性・安全性を比較検証
・3年フォローアップ解析の結果、客観的奏効率76.0%、奏効持続期間31.7ヶ月を示した
2021年6月9日~17日、バーチャルミーティングで開催された第25回欧州血液学会議(EHA 2021)にて、自家末梢血幹細胞移植もしくは少なくとも2レジメン以上の全身化学療法後に病勢進行または完全寛解を達成できなかった再発/難治性古典的ホジキンリンパ腫(cHL)患者を対象に抗PD-1抗体薬であるCamrelizumab(カムレリズマブ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03155425)の3年長期フォローアップ解析の結果がNanjing Medical University Affiliated Cancer HospitalのJianqiu Wu氏らにより公表された。
本試験は、自家末梢血幹細胞移植もしくは少なくとも2レジメン以上の全身化学療法後に病勢進行または完全寛解を達成できなかった再発/難治性古典的ホジキンリンパ腫(cHL)患者(N=75人)に対して2週を1サイクルとしてCamrelizumab 200mg単剤療法を投与し、主要評価項目として独立評価委員会(IRC)判定による客観的奏効率(ORR)を検証した第2相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値36.2ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である独立評価委員会(IRC)判定による客観的奏効率(ORR)は76.0%(N=57人、95%信頼区間:64.7-85.1%)を示した。
副次評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値は31.7ヶ月(95%信頼区間:16.7ヶ月-未到達)、無増悪生存期間(PFS)中央値は22.5ヶ月(95%信頼区間:14.7ヶ月-未到達)、全生存期間(OS)中央値は未到達、36ヶ月全生存率(OS)は82.7%(95%信頼区間:72.0-89.5%)を示した。
一方の安全性は、最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)はreactive capillary endothelial proliferation(RCEP)97.3%、発熱44.0%、上気道感染症36.0%、甲状腺機能低下症32.0%であった。グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は34.7%(N=26人)、治療関連有害事象(TRAE)による死亡は確認されず、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率は6.7%(N=5人)であった。
以上の第2相試験の長期フォローアップ解析の結果よりJianqiu Wu氏らは「再発/難治性古典的ホジキンリンパ腫(cHL)患者に対する抗PD-1抗体薬Camrelizumab単剤療法は、持続的で良好な抗腫瘍効果を示し、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)なども長期的な改善傾向を示しました。また、安全性についても管理可能なものでした」と結論を述べている。