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進展型小細胞肺がんに対するファーストライン治療としてのイミフィンジ+化学療法、3年全生存率17.6%を示す

この記事の3つのポイント
・進展型小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
ファーストライン治療としてのイミフィンジ+化学療法有効性安全性を化学療法と比較検証
全生存期間12.9ヶ月、3年生存率は17.6%を示し、化学療法と比べて死亡リスクを29%減少した

2021年9月18日、英アストラゼネカ社のプレスリリースにて、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬であるイミフィンジ(一般名:デュルバルマブ、以下イミフィンジ)+主治医選択の化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCASPIAN試験の長期アップデート解析の結果が公表された。なお、同試験の結果は、9月23日~26日にバーチャルで開催されたの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2021)でも発表された。

CASPIAN試験は、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者(N=805人)に対するファーストライン治療としてイミフィンジ+化学療法(エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン)を投与する群、またはイミフィンジ+化学療法+トレメリムマブ併用療法を実施する群、または化学療法投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)を比較検証した無作為化非盲検国際多施設共同の第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値は3年以上時点の結果は下記の通りである。主要評価項目である死亡(OS)のリスクは化学療法単独群に比べてイミフィンジ+化学療法群で29%(HR:0.71、95%信頼区間:0.60-0.86、P=0.0003)減少した。また、全生存期間(OS)中央値はイミフィンジ+化学療法群の12.9ヶ月に対して化学療法単独群で10.5ヶ月を示した。3年全生存率(OS)はイミフィンジ+化学療法群の17.6%に対して化学療法単独群で5.8%を示した。

以上のCASPIAN試験の長期アップデート解析の結果より、Luis Paz-Ares氏は「進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)に対する治療選択肢は非常に限られております。イミフィンジ+化学療法は化学療法単独に比べて3倍以上の全生存期間(OS)改善傾向を示しましたので、本治療は治療選択肢として非常に有望です」と結論を述べている。

Imfinzi plus chemotherapy tripled patient survival at three years in the CASPIAN Phase III trial in extensive-stage small cell lung cancer(AstraZeneca Press Releases)

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