・進行性胆道がん患者が対象の第3相試験
・ファーストライン治療としてのイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法の有効性・安全性をプラセボと比較検証
・全生存期間はイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群がプラセボ群に対して改善を示し、主要評価項目を達成
2021年10月25日、英アストラゼネカ社のプレスリリースにて、進行性胆道がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬であるイミフィンジ(一般名:デュルバルマブ、以下イミフィンジ)+標準化学療法であるゲムシタビン+シスプラチン併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のTOPAZ-1試験の中間解析結果が公表された。
TOPAZ-1試験は、進行性胆道がん患者(N=685人)に対するファーストライン治療としてイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法を投与する群、もしくはプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、安全性を比較検証した国際多施設共同二重盲検下プラセボ対照の第3相試験である。なお、胆道がんは肝内、肝外胆管がん、胆嚢がんが含まれている。
本試験が開始された背景として、胆道がんは非常に稀ながんでありながら、5年生存率は5~15%とその予後は非常に不良である。本疾患に対する新たな治療法の開発が必要とされており、イミフィンジは胆道がんの治療薬として米国で希少疾病用医薬品に指定されている。以上の背景より、進行性胆道がん患者に対する抗PD-L1抗体薬 イミフィンジ +ゲムシタビン+シスプラチン併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。
本試験の中間解析の結果、独立データモニタリング委員会(IDMC)判定により主要評価項目である全生存期間(OS)はプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群に比べてイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群で改善し、主要評価項目を達成することが確認された。
その他、重要な副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)においてもプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群に比べてイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群で改善傾向が確認された。
以上のTOPAZ-1試験の初回解析の結果より、代表治験医師であるSeoul National University College of MedicineのDo-Youn氏は「進行性胆道がんは予後が非常に不良であり、本疾患のファーストライン治療の開発は10年以上進展が確認されていませんでした。そんな状況下、TOPAZ-1試験にて抗PD-L1抗体薬 イミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法の有用性が確認されたことを非常に喜ばしく思います」と結論を述べている。