・再発性/転移性頭頸部扁平上皮がん患者が対象の第3相試験
・キイトルーダ単剤±化学療法の有効性・安全性をセツキシマブ+化学療法と比較検証
・CPS1〜19%群におけるOS中央値はキイトルーダ単剤群の10.8ヶ月に対してセツキシマブ+化学療法群で10.1ヶ月、
キイトルーダ+化学療法群の12.7ヶ月に対してセツキシマブ+化学療法群で9.9ヶ月と、
セツキシマブ+化学療法に対して延長した
3月25日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて再発性/転移性頭頸部扁平上皮がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)±化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のMK-3475-048/KEYNOTE-048試験(NCT02358031)の結果がYale University School of Medicine and Yale Cancer CenterのBarbara Burtness氏らにより公表された。
MK-3475-048/KEYNOTE-048試験は、再発性/転移性頭頸部扁平上皮がん患者(N=882人)に対してキイトルーダ単剤療法を投与する群、キイトルーダ+化学療法を投与する群、セツキシマブ+化学療法を投与する群に1対1対1の割合で無作為に振り分け、評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)等を比較検証したオープンラベルランダム化の第3相試験である。
本試験に登録された882人の患者背景は下記の通りである。PD-L1陽性率はCPS<1%群128人、CPS1~19%群373人。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。
CPS<1%群の全生存期間(OS)中央値はキイトルーダ単剤群の7.9ヶ月に対してセツキシマブ+化学療法群で11.3ヶ月(HR:1.51、95%信頼区間:0.96-2.37)、CPS1~19%群の全生存期間(OS)中央値はキイトルーダ単剤群の10.8ヶ月に対してセツキシマブ+化学療法群で10.1ヶ月(HR:0.86、95%信頼区間:0.66-1.12)を示した。
CPS<1%群の全生存期間(OS)中央値はキイトルーダ+化学療法群11.3ヶ月に対してセツキシマブ+化学療法群で10.7ヶ月(HR:1.21、95%信頼区間:0.76-1.94)、CPS1~19%群の全生存期間(OS)中央値はキイトルーダ+化学療法群の12.7ヶ月に対してセツキシマブ+化学療法群で9.9ヶ月(HR:0.71、95%信頼区間:0.54-0.94)を示した。
以上のKEYNOTE-048試験の結果よりBarbara Burtness氏らは「再発性/転移性頭頸部扁平上皮がん患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法、キイトルーダ+化学療法の有効性は、PD-L1発現量の増加に伴って増加することが確認されました。一方で、CPS<1%の患者に対しては母集団が少ないためなのか抗腫瘍効果は限られておりました」と結論を述べている。