・IDH1変異陽性の急性骨髄性白血病患者が対象の第3相試験
・Ivosidenib(イボシデニブ)+アザシチジン併用療法の有効性・安全性を比較検証
・無イベント生存期間はイボシデニブ+アザシチジンがプラセボ+アザシチジンに対して統計学的有意に改善した
4月20日、医学誌『The New England Journal of Mediciney』にてIDH1変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)患者に対するIDH1阻害薬Ivosidenib(イボシデニブ)+アザシチジン併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のAGILE試験(NCT03173248)の結果がPau Montesinos氏らにより公表された。
AGILE試験は、IDH1変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)患者(N=146人)に対して28日を1サイクルとして1日1回Ivosidenib500mg+アザシチジン75mg/m2併用療法を実施する群(N=72人)、もしくは28日を1サイクルとしてプラセボ+アザシチジン75mg/m2併用療法を実施する群(N=74人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無イベント生存率(EFS:治療開始24週までに完全寛解未達成、再発、死亡等のイベント)を比較検証した第3相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値12.4ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)はプラセボ+アザシチジン併用群に比べてIvosidenib+アザシチジン併用群で統計学的有意に改善した(HR:0.33、95%信頼区間:0.16-0.69、P=0.002)。12ヶ月無イベント生存率(EFS)はIvosidenib+アザシチジン併用群の37%に対してプラセボ+アザシチジン併用群で12%を示した。
全生存期間(OS)中央値はIvosidenib+アザシチジン併用群の24.0ヶ月に対してプラセボ+アザシチジン併用群で7.9ヶ月を示し、プラセボ+アザシチジン併用群に比べてIvosidenib+アザシチジン併用群で死亡(OS)のリスクを56%(HR:0.44、95%信頼区間:0.27-0.73、P=0.001)改善した。
一方の安全性として、多くの患者で確認されたグレード3以上の有害事象(AE)は下記の通りである。発熱性好中球減少症はIvosidenib+アザシチジン併用群の28%に対してプラセボ+アザシチジン併用群で34%、好中球減少症は27%に対して16%であった。全グレードの出血関連イベント発症率はIvosidenib+アザシチジン併用群の41%に対してプラセボ+アザシチジン併用群で29%、全グレードの感染症発症率は28%に対して49%を示した。
以上のAGILE試験の結果よりPau Montesinos氏らは「IDH1変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)患者に対するIDH1阻害薬Ivosidenib+アザシチジン併用療法は、主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)を統計学有意に改善しました。また、発熱性好中球減少症と感染症の発症率は、プラセボ群に比べてIvosidenib群で低率でした」と結論を述べている。