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未治療の切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)に対して、オプジーボ×ヤーボイ複合免疫療法が承認申請

2017年9月29日、小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社は、抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名オプジーボ)と抗CTLA-4抗体イピリブマブ(商品名ヤーボイ)のについて、「根治切除不能な悪性黒色腫」に対する両剤の併用療法に係る製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表した。

今回の申請は、化学療法未治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者に対するオプジーボとヤーボイの併用療法を可能とするもので、未治療の根治切除不能又は再発の進行期悪性黒色腫の患者を対象に国内で実施した第2相非盲検非対照試験(ONO-4538-17)および未治療の進行期悪性黒色腫の患者を対象に海外で実施された第3相無作為化二重盲検試験(Checkmate-067)の結果に基づいたものとなる。

国内で実施した上記のONO-4538-17試験での用法・用量は、「オプジーボ1回1 mg/kg(体重)およびヤーボイ1回3 mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注、その後、オプジーボ1回3 mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注」となる。

Checkmate-067の結果は、2017年9月11日にNew England Journal of Medicineに掲載され、データカットオフの2017年5月24日の時点で生存していたすべての患者は、追跡期間が36カ月に達していた。治療群別の追跡期間中央値は併用群38.0カ月、オプジーボ単剤群35.7カ月、ヤーボイ単剤群18.6カ月であった。病勢進行後の二次治療を受けた患者の割合は、それぞれ20%(62/313例)、31%(97/313例)、35%(108/311例)で、二次治療が全身薬物療法であったのはそれぞれ32%、46%、63%で、最も多く用いられた治療薬は、併用群ではBRAF阻害薬(13%)、オプジーボ単剤群では抗CTLA4抗体(28%)、ヤーボイ単剤群では抗PD-1抗体(43%)であった。

二次治療に移行していない患者と死亡した患者を除く解析対象において、次の全身薬物療法を受けるまでの期間中央値は、併用群(258例)では特定に至っておらず、オプジーボ単剤群(273例)では25.5カ月、ヤーボイ単剤群(267例)では8.1カ月であった。そして、カプラン-マイヤー法に基づくと、追跡3年の時点で二次治療に移行していない患者の割合は、併用群(59%)がヤーボイ単剤群(20%)より3倍近く多く、オプジーボ単剤群(45%)よりも多かった。

グレード3またはグレード4の有害事象は、併用群59%(184/313例)、オプジーボ単剤群21%(67/313例)、ヤーボイ単剤群28%(86/311例)に認められ、治療関連有害事象を理由とする治療中止率はそれぞれ30%(95/313例)、8%(24/313例)、14%(43/311例)であった。併用群では、4回中3回(中央値)の併用投与を受けた313例中123例(39.3%)が治療関連有害事象を理由に治療を中止したが、3年の時点で67%の患者は生存していた。
免疫介在性の有害事象の発現率は群間に差はなく、グレード3またはグレード4で最も多く発現したのは消化器症状(併用群15%、オプジーボ単剤群4%、ヤーボイ単剤群12%)であった。そのうち併用群は下痢の発現率が他の群より高かった(各9%、3%、6%)。グレード3またはグレード4の有害事象は、ガイドラインに準ずる適切な処置により大部分は3週から4週以内に回復した。

進行期悪性黒色腫の初回治療 オプジーボ×ヤーボイ併用後オプジーボ単剤療法で3年間の増悪・死亡リスクはヤーボイ単剤より57%低下 New England Journal of Medicineより(20171003)

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