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小細胞肺がんにおける腫瘍の遺伝子変異量(TMB) はオプジーボをはじめ免疫チェックポイント阻害薬の効果予測因子となる

腫瘍の遺伝子変異量(TMB)が高レベルの再発小細胞肺がん患者に対するニボルマブ(商品名オプジーボ)単独療法、オプジーボ+イピリムマブ(商品名ヤーボイ)併用療法有効性を検証したCheckMate-032試験(NCT01928394)の結果が、10月15日から18日まで横浜で開催された国際肺癌学会(IASLC)第18回世界肺癌学会議(WCLC)にて発表された(抄録番号#11063)。

本試験は、前治療歴を有する進行性または転移性固形がん患者(N=401人)に対してオプジーボ3mg/kgを2週間に1回単独投与、またはオプジーボ1mg/kg +ヤーボイ3mg/kgを3週間に1回併用で投与し、主要評価項目である盲検下独立中央判定(BICR)による客観的奏効率(ORR)、副次評価項目である全生存率(OS)、安全性などを検証した第I/II相の試験である。

今回公表された結果は、上記試験に登録された患者の内、腫瘍の遺伝子異常総量(TMB)の評価が可能な前治療歴を有する小細胞肺がん患者(N=211人)を対象した報告である。

本試験の結界、主要評価項目である盲検下独立中央判定(BICR)による客観的奏効率(ORR)は、オプジーボ単剤療法における腫瘍の遺伝子異常総量(TMB)高レベルの患者で21%、中レベルで7%、低レベルで5%であった。また、オプジーボ+ヤーボイ併用療法における腫瘍の遺伝子異常総量(TMB)高レベルの患者で46%、中レベルで16%、低レベルで22%であった。

副次評価項目である1年全生存率(OS) は、オプジーボ単剤療法における腫瘍の遺伝子異常総量(TMB)高レベルの患者で35%、中レベルで26%、低レベルで22%であった。また、オプジーボ+ヤーボイ併用療法における腫瘍の遺伝子異常総量(TMB)高レベルの患者で62%、中レベルで20%、低レベルで23%であった。

本試験の結果を受けて治験担当医師であるメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターのMatthew D Hellmann氏は以下のように述べている。”腫瘍の遺伝子変異量(TMB)が2つの免疫チェックポイント阻害薬の効果予測因子になり得る可能性がCheckMate-032試験により初めて示されました。このバイオマーカーを肺がん全体、およびその他のがん免疫治療方法へと応用するために更なる研究が必要です。”

また、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の胸部悪性腫瘍担当開発責任者であるNick Botwood氏は以下のように述べている。”腫瘍の遺伝子変異量(TMB) は我々が現在進行させているトランスレーショナルメディシンにおいて重要な分野です。CheckMate-032試験の小細胞肺がん患者の間で得られた探索的データに基づき、我々は免疫療法の効果予測因子としての腫瘍の遺伝子変異量(TMB) についての更なる理解を深めていきます。”

正常細胞とは違い、がん細胞は遺伝子変異量が時間の経過と共に蓄積する。本試験により遺伝子変異量(TMB) が免疫チェックポイント阻害薬の効果予測因子になり得る可能性が示唆された。PD-L1発現率、免疫関連副作用(irAE)、そして腫瘍の遺伝子変異量(TMB)と免疫チェックポイント阻害薬の効果予測因子となり得る候補が次々発見されており、更なる知見の積み重ねが期待される。

Circulating Tumor DNA Mutant Allele Frequency and Tumor Burden as Biomarkers for Response to Immune Checkpoint Blockade(WCLC2017 OA 07.03)Impact of Tumor Mutation Burden on the Efficacy of Nivolumab or Nivolumab + Ipilimumab in Small Cell Lung Cancer: An Exploratory Analysis of CheckMate 032(WCLC2017 OA 07.03a)

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