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治療歴のあるdMMRまたはMSI-H転移性大腸がん患者に対するオプジーボ+ヤーボイ併用療法、客観的奏効率58%を示す

この記事の3つのポイント
・治療歴のあるdMMR、またはMSI-H転移性大腸がん患者対象の第2相のCheckMate-142試験
オプジーボ+ヤーボイ併用療法有効性を検証
・長期に渡り持続的な抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好だった

2019年1月17日~1月19日に米国・サンフランシスコで開催された消化器がんシンポジウム(ASCO GI 2019)にて治療歴のあるDNAミスマッチ修復機構欠損(dMMR;以下dMMR)、またはマイクロサテライト不安定性の高い(MSI-H;以下MSI-H)転移性大腸がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)併用療法の有効性を検証した第2相のCheckMate-142試験(NCT02060188)の長期フォローアップ結果が MD Anderson Cancer CenterのMichael J. Overman氏らにより公表された。

CheckMate-142試験とは、治療歴のあるdMMRまたはMSI-H転移性大腸がん患者(N=119人)に対して3週間を1サイクルとして1日目にオプジーボ3mg/kg+1日目にヤーボイ1mg/kg併用療法を4サイクル投与後、2週を1サイクルとして1日目にオプジーボ3mg/kg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率ORR)、副次評価項目として病勢コントロール率DCR)、奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間PFS)、全生存期間OS)などを検証した第2相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値25.4ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)58%(95%信頼区間:49%-67%,N=69/119人)、その奏効の内訳は完全奏効(CR)6%(N=7人)、部分奏効(PR)52%(N=62人)を示した。副次評価項目である病勢コントロール率(DCR)は81%(95%信頼区間:72%-87%,N=96/119人)、奏効持続期間(DOR)中央値は未到達を示した。

なお、前回公表されたフォローアップ期間中央値13.4ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)55%(95%信頼区間:45%-64%,N=65/119人)、副次評価項目である病勢コントロール率(DCR)は80%(95%信頼区間:72%-87%,N=95/119人)、奏効持続期間(DOR)中央値は未到達。

一方の安全性として、グレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は31%、グレードグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)により治療中止率は10%を示した。

以上のCheckMate-142試験の結果よりMichael J. Overman氏らは以下のように結論を述べている。”治療歴のあるdMMRまたはMSI-H転移性大腸がん患者に対するオプジーボ+ヤーボイ併用療法は、長期に渡り持続的な抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好でした。”

Nivolumab (NIVO) + low-dose ipilimumab (IPI) in previously treated patients (pts) with microsatellite instability-high/mismatch repair-deficient (MSI-H/dMMR) metastatic colorectal cancer (mCRC): Long-term follow-up.(ASCO GI 2019, Presented Saturday, January 19, 2019)

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