11月24日、厚生労働省は医薬品医療機器総合機構(PMDA)を介して、免疫チェックポイント阻害薬 抗PD-1抗体「ニボルマブ(商品名オプジーボ)」について、添付文書(医療関係者用の説明書)の重大な副作用に「1型糖尿病」を追記するよう指示しました。また、「レンバチニブ(商品名レンビマ)」について、「腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈出血、腫瘍出血」に関する重要な注意事項と重大な副作用を追記するように指示しています。
改訂を指示した理由は以下の通りです。
◆オプジーボ
1.副作用の「重大な副作用」の項に、以下を追記。
「1型糖尿病:1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシスに至ることがあるので、口渇、悪心、嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十分注意すること。1型糖尿病が疑われた場合には投与を中止し、インスリン製剤の投与等の適切な処置を行うこと。」
◆レンビマ
1.措置内容の「慎重投与」の項に、以下を追記。
頸動脈・静脈等への腫瘍浸潤のある患者
2.重要な基本的注意の項に、以下を追記。
「本剤投与中に腫瘍縮小・壊死に伴い、頸動脈露出、頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがある。また、頸動脈露出部位や皮膚瘻形成部位より大量出血した例が認められており、気管瘻や食道瘻を形成している場合には、喀血や吐血のおそれがある。本剤投与前には頸動脈・静脈等への腫瘍浸潤を十分確認するとともに、本剤の投与期間中は患者の状態の観察や瘻孔形成の有無の確認を十分に行うこと。出血が認められた場合には、必要に応じて投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、甲状腺未分化癌患者では、頸動脈・静脈への腫瘍浸潤例が多いので、特に注意すること。」
3.副作用の「重大な副作用」の項に、以下の出血に関する記載追記。
「また、腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがある。」
添付文書に「使用上の注意」の追記は、一般的な薬剤でも指示されること稀ではありません。ご不安な点は必ず医師にご相談して下さい。
記事:可知 健太