12月2日、小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズスクイブ社は、PD-1抗体ニボルマブ(オプジーボ)について、「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」に対する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したと発表した。
日本で実施された再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫を対象とした第Ⅱ相臨床試験(ONO-4538-15試験)において、中央判定による奏効率は75.0%だった。なお、オプジーボは、厚生労働省より、2016年3月16日、ホジキンリンパ腫を効能・効果とする希少疾病用医薬品の指定を受けている。オプジーボは、血液がんにおいて日本で初めて承認された免疫チェックポイント阻害薬である。
ホジキンリンパ腫はリンパ細網系から生じた細胞の限局性又は播種性の悪性腫瘍であり、国内年間患者数は約2,000人と推定されている。ホジキンリンパ腫では、初回治療として化学療法や放射線療法が行われている。再発又は治療抵抗性が認められた場合には、化学療法や自家造血幹細胞移植による治療が行われる。しかし、再発又は難治性のホジキンリンパ腫患者さんにおける予後は悪いことから、新たな治療薬の開発が期待されている。
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬である。日本では、「根治切除不能な悪性黒色腫」、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」、「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」に続き4つ目の適応となる。また、頭頸部がんについても承認申請しており、胃がん、食道がん、胃食道接合部がんおよび食道がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、尿路上皮がん、悪性胸膜中皮腫、卵巣がん、胆道がんなどを対象とした臨床試験を実施中である。
記事:中島 香織
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