2017年10月12日、医学誌『Journal of Clinical Oncology (JCO) 』にて治療歴のある扁平上皮または非扁平上皮の進行性非小細胞肺がん患者に対するニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法が2年全生存率(OS)を向上させることを証明した2本の第III相試験CheckMate-017試験(NCT01642004)、CheckMate-057試験(NCT01673867)の結果が掲載された。
両試験は、CheckMate-017試験が扁平上皮非小細胞肺がん患者(N=272人)、CheckMate-057試験が非扁平上皮非小細胞がん患者(N=582人)を対象としており、プラチナ製剤ベースの化学療法治療中または治療後に増悪したステージIII/IV非小細胞肺がん患者に対して2週間に1回の投与間隔でオプジーボ3mg/kgの単剤療法、または3週間に1回の投与間隔でドセタキセル75mg/m2単剤療法を投与する群に1:1の割合でランダムに振り分け、2年全生存率(OS)を比較検証した国際多施設共同オープンラベルの第III相試験である。
本試験の結果、2年全生存率(OS)はCheckMate-017試験ではオプジーボ投与群23%(95%信頼区間:16-30%)に対してドセタキセル投与群8% (95%信頼区間:4-13%)、CheckMate-057試験ではオプジーボ投与群29%(95%信頼区間:24-34%)に対してドセタキセル投与群16% (95%信頼区間:12-20%)であった。
一方の安全性としては、治療関連有害事象がドセタキセル投与群よりもオプジーボ投与群の方がより低率であることが証明された。例えば全てのグレードの有害事象はオプジーボ投与群68%、ドセタキセル投与群88%、グレード3/4の有害事象はそれぞれ10%、55%であった。
以上のCheckMate-017試験、CheckMate-057試験の2本の第III相臨床試験の結果より、進行性非小細胞肺がん患者に対するオプジーボ単剤療法はドセタキセル単剤療法に比べて長期にわたって有効性があることを示し、また忍容性も良好であることが証明された。