11月24日、厚生労働省 薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が開催され、がん関連では以下の新規承認または適応追加が了承された。なお、承認時期は2017年12月~2018年1月と予想される。
目次
新規製造としてリムパーザとベスポンサ
オラパリブ(商品名リムパーザ):「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法」
リムパーザは、経口ポリメラーゼ(PARP)阻害薬であり、同種同効薬としてはファーストインクラス(日本初)製剤である。PARP阻害薬は、遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)に特に有効であるとされているが、今回の承認はその主な遺伝子変異であるBRCA遺伝子変異を問わず使用できることになる。
しかしながら、「白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法の投与終了後から再発までの期間が6カ月以上で、かつ直近の白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法の奏効が継続している再発卵巣がん」に対しての了承となり、米国ですでに承認されているように「3回以上の化学療法による治療歴のある病的あるいは病的であることが疑われる生殖細胞系BRCA 遺伝子変異陽性(gBRCAm)進行卵巣がん」の適応はない可能性がある。
リムパーザの詳しい情報は以下を参照
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イノツズマブ オゾガマイシン〈商品名ベスポンサ):「再発または難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病」
ベスポンサは、CD22抗体(イノツズマブ)に殺細胞性物質(オゾガマイシン)が結合された抗体薬物複合体(ADC)である。希少疾病用医薬品にも指定済されている。
ベスポンザの詳しい情報は以下を参照
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適応追加としてキイトルーダとタシグナ
ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ):「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」
免疫チェックポイント阻害薬としては初めての尿路上皮がん(膀胱がん、腎盂がん、尿管がん、尿道がん等)適応となる。
キイトルーダの尿路上皮がんについての詳しい情報は以下を参照
尿路上皮がん キイトルーダが二次治療で有効、初回療法では化学療法より有望な可能性 NEJM&ASCO-GU2017<動画有>(オンコロニュース2017.03.22)
ニロチニブ(商品名タシグナ):「(小児における)慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病」
すでに、成人で承認されているタシグナについて、小児の用法・用量を追加する一部変更承認となる。
(文:可知 健太)