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再発難治性非ホジキンリンパ腫(NHL)に対するCAR-T療法Yescarta、1年超えても奏効率は持続する

2017年12月9日から12日までアメリカ合衆国ジョージア州アトランタで開催されている米国血液学会議(ASH2017)にて、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を含む再発難治性非ホジキンリンパ腫(NHL)患者に対するCAR-T(キメラ抗体受容体T細胞)療法であるYescarta(Axicabtagene Ciololeucel)の有効性を検証した第I/II相のZUMA-1試験(NCT02348216)のアップデート解析の結果が発表された。

ZUMA-1試験とは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を含む再発難治性非ホジキンリンパ腫(NHL)患者(N=108)に対してCAR-T療法Yescartaを投与し、第II相段階の主要評価項目である客観的奏効率(ORR=完全奏効[CR]+部分奏効[PR])、副次評価項目である奏効持続期間(DOR)、全生存期間(OS)を検証した多施設共同オープンラベルの第I/II相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は完全奏効(CR)率58%を含む82%であった。また、CAR-T療法Yescartaによる治療開始期間中央値15.4ヶ月時点において42%の患者が奏効を持続しており、その内完全奏効(CR)率は40%であった。

副次評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値は11.1ヶ月(95%信頼区間:3.9ヶ月-未到達)、また完全奏効(CR)を達成した患者では未到達であった。また、全生存期間(OS)中央値は未到達(95%信頼区間:12.0ヶ月-未到達)であり、18ヶ月全生存率(OS)は52% (95%信頼区間:41%-62%)であった。

一方の安全性は、CAR-T療法特有の合併症とされるグレード3以上のサイトカイン放出症候群(CRS)が12%の患者で、神経障害が31%の患者で確認された。また、グレード3以上の最も一般的な有害事象(AE)は好中球減少症79%、貧血40%、血小板減少症40%であった。重篤な有害事象(AE)はCAR-T療法Yescarta開始6ヶ月後で10人の患者が発現し、その内6人は感染症であった。

以上のZUMA-1試験の結果を受けて、テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター・悪性リンパ腫/多発性骨髄腫科所属でありZUMA-1試験のリード研究医師であるSattva S. Neelapu博士は以下のように述べている。”本試験で証明したYescartaの奏効持続期間(DOR) はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を含む再発難治性非ホジキンリンパ腫(NHL)患者に対するCAR-T療法の優越性を保証することになるでしょう。”

また、カイトファーマ・インク社・チーフメディカルオフィサー(CMO)であるDavid Changは以下のように述べている。”これまで再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する十分な治療方法は存在しませんでした。Yescarta治療開始より1年を超えても深い奏効が持続することが本試験で証明できたことは、非ホジキンリンパ腫(NHL)患者さんにとってYescartaが重要な治療選択肢になる可能性を示唆したことになるでしょう。”

Long-Term Follow-up ZUMA-1: A Pivotal Trial of Axicabtagene Ciloleucel (Axi-Cel; KTE-C19) in Patients with Refractory Aggressive Non-Hodgkin Lymphoma (NHL)(ASH2017,Abstract No.578)

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