・転移性腎細胞がん患者に対するキイトルーダとインライタ併用療法
・腎細胞がんに対して免疫チェックポイント阻害薬とVEGF阻害薬は相性が良い可能性
・詳細は、別途、腫瘍関連学会で発表される予定
10月18日、米メルクは進行性または転移性腎細胞がん患者に対するファースト治療としての抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)+チロシンキナーゼ阻害薬であるアキシチニブ(商品名インライタ;以下インライタ)併用療法の有効性を比較検証した第III相のKEYNOTE-426試験(NCT02853331)の結果にて、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を改善した。結果の詳細は別途、腫瘍関連学会で発表される。
KEYNOTE-426試験とは、進行性または転移性腎細胞がん患者(N=861人)に対するファースト治療として3週間に1回キイトルーダ200mg+1日2回インライタ5mg併用療法を投与する群、またはチロシンキナーゼ阻害薬である1日1回スニチニブ(商品名スーテント;以下スーテント)50mgを4週間連日経口投与し、その後2週間休薬する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを比較検証した二重盲検比較の第III相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)の両指標はスーテント単剤療法に比べて、キイトルーダ+インライタ併用療法で統計学有意に改善した。また、副次評価項目である客観的奏効率(ORR)においてもスーテント単剤療法に比べて、キイトルーダ+インライタ併用療法で統計学有意に改善した。なお、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)の3つの指標はPD-L1発現ステータスに関係のない効果を示していた。
一方の安全性として、キイトルーダ+インライタ併用療法の治療関連有害事象(TRAE)は既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。
以上のKEYNOTE-426試験の結果を受けてMerck Research Laboratories・PresidentであるRoger M. Perlmutter氏は以下のように述べている。抗PD-1抗体薬であるキイトルーダは、進行性または転移性腎細胞がん患者に対するファースト治療として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)の3つの指標を第III相試験において優越性を示しました。”