・免疫チェックポイント阻害薬投与後に病勢進行した非小細胞肺がん患者対象
・Sitravatinib+オプジーボの有効性と安全性を検証した第Ⅱ相試験
・良好な忍容性と期待できる効果を示した
2018年10月19日~23日までドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)にて免疫チェックポイント阻害薬治療後に病勢進行した進行性非小細胞肺がん患者に対するマルチキナーゼ阻害薬であるSitravatinib+抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)併用療法の有効性、安全性を検証している第II相試験の途中結果が公表された。
本試験は、免疫チェックポイント阻害薬治療後に病勢進行した進行性非小細胞肺がん患者に対して1日1回Sitravatinib+2週間に1回オプジーボ240mg併用療法を投与し、主要評価項目として腫瘍縮小効果、副次評価項目として治療関連有害事象(TRAE)発症率などを検証した第II相試験である。なお、本試験に登録された患者の前治療歴中央値は2レジメンである。
本試験の2018年8月27日時点までに評価可能であった56人の患者に対する結果は下記の通りである。主要評価項目である腫瘍縮小効果は56人の内45人、30%以上の腫瘍縮小効果を示した患者は56人の内18人の患者で確認された。なお、部分奏効(PR)、または完全奏効(CR)は56人の内16人の患者で確認されている。
また、奏効持続期間(DOR)中央値は9ヶ月以上を示し、奏効が確認されている6人の患者は奏効持続期間(DOR)中央値6ヶ月以上、2人の患者は奏効持続期間(DOR)中央値12ヶ月以上を示している。
一方の安全性として、Sitravatinib+オプジーボ併用療法の治療関連有害事象(TRAE)はグレードは1または2程度であり、忍容性が良好であることが示されている。
以上のII相試験の結果を受けて、Mirati Therapeutics社・最高経営責任者(CEO)であるCharles M. Baum, 氏は以下のように述べている。”免疫チェックポイント阻害薬治療後に病勢進行した非小細胞肺がん患者さんの治療選択肢は非常に限られておりますが、Sitravatinib+オプジーボ併用療法は期待のできる腫瘍縮小効果を示しました。また、忍容性も良好でした。本試験は現在も進行中ですが、登録の進捗率も順調ですので本試験の結果が出ることを楽しみしております。”