2019年2月11日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のプレスリリースにて、未治療の進行性/転移性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーホ;以下オプジーボ)と抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)併用療法の有効性を比較検証した第III相のCheckMate-214試験(NCT02231749)の追跡期間中央値30ヶ月時点の長期解析結果が公表された。なお、このリリースの詳細は米国で開催中のASCO-GU2019にて発表される予定となる。
CheckMate-214試験とは、未治療の進行または転移性腎細胞がん患者に対して3週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg+ヤーボイ1mg/kg併用療法を投与し、その後2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を投与する群、または1日1回スーテント50mgを4週間連日経口投与し、その後2週間休薬するサイクルを繰り返し投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)を比較検証したオープンラベル無作為化の第III相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である中リスク又は高リスク患者群における3年全生存率(OS)はオプジーボ+ヤーボイ併用群60%に対してスーテント単剤群47%、オプジーボ+ヤーボイ併用群で死亡のリスク(OS)を統計学有意に34%減少(HR:0.66,95%信頼区間: 0.54-0.80,p<0.0001)した。客観的奏効率(ORR)はオプジーボ+ヤーボイ併用群42%に対してスーテント単剤群29%、オプジーボ+ヤーボイ併用群で客観的奏効率(ORR)が高率であった(P=0.0001)。なお、完全奏効率(CR)はオプジーボ+ヤーボイ併用群11%に対してスーテント単剤群1%であった。
また、全患者群における主要評価項目である3年全生存率(OS)はオプジーボ+ヤーボイ併用群64%に対してスーテント単剤群56%、オプジーボ+ヤーボイ併用群で死亡のリスク(OS)を統計学有意に29%減少(HR:0.71,95%信頼区間: 0.59-0.86,P=0.0003)した。客観的奏効率(ORR)はオプジーボ+ヤーボイ併用群41%に対してスーテント単剤群34%、オプジーボ+ヤーボイ併用群で客観的奏効率(ORR)が高率であった(P=0.015)。なお、完全奏効率(CR)はオプジーボ+ヤーボイ併用群11%に対してスーテント単剤群2%であった。
一方の安全性として、前回の追跡期間中央値17.5ヶ月時点における治療関連有害事象(TRAE)と安全性プロファイルは一致しており、本解析時点で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなかった。
以上のCheckMate-214試験の結果より治験代表医師であるThe University of Texas MD Anderson Cancer Center・Nizar M. Tannir氏は以下のようにコメントを述べている。”未治療の進行性/転移性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法は、長期生存を期待できる治療選択肢である可能性が本試験の長期追跡調査の結果より示唆されました。”