・標準化学療法に不応・不耐な切除不能進行再発大腸がん患者が対象の第1b/2相試験
・ロンサーフ+アバスチン併用療法の有効性を検証
・第2段階の主要評価項目である16週無増悪生存率は40.9%で主要評価項目を達成
2019年1月17日~1月19日より米国・サンフランシスコで開催された消化器がんシンポジウム(ASCO GI 2019)にて標準化学療法に不応・不耐な切除不能進行再発大腸がん患者に対するトリフルリジン・チピラシル塩酸塩(商品名ロンサーフ;以下ロンサーフ)+ベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)併用療法の有効性を検証した第1b/2相試験(UMIN000029198)の結果が佐野病院消化器がんセンター長の小高雅人氏らにより公表された。
本試験は、標準化学療法に不応・不耐な切除不能進行再発大腸がん患者に対してロンサーフ+アバスチン併用療法を投与し、主要評価項目として第1b相段階では第2相試験推奨容量(RPIID)、第2相段階では16週無増悪生存率(PFS)を検証した非盲検単アーム多施設共同の第1b/2相の試験である。
本試験には2017年10月より2018年1月までに46名の患者が登録され、その患者背景は下記の通りである。年齢中央値は69歳。性別は男性55%。Performance Statusはスコア0が57%。原発腫瘍部位は右側29.5%。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。
第1b相段階の主要評価項目である第2相試験推奨容量(RPIID)は2週を1サイクルとしてロンサーフ30mg/m2+アバスチン5mg/kgとして決定された。また、第2段階の主要評価項目である16週無増悪生存率(PFS)は40.9%(95%信頼区間:26.3-56.8%)、帰無仮説として事前に設定した15%を超え、主要評価項目を達成した。なお、追跡期間中央値5.86ヶ月(95%信頼区間:1.53-9.79ヶ月)時点における無増悪生存期間(PFS)中央値は4.25ヶ月を示した。
その他評価項目である奏効率(RR)は0%(95%信頼区間:0-6.6%)、病勢制御率(DCR)は59.1%(95%信頼区間:43.3-73.7%)を示した。
一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は高血圧40.9%、好中球減少症11.4%、リンパ球減少症11.4%、貧血9.1%、食欲不振9.1%、悪心6.8%、高ビリルビン血症6.8%、タンパク尿6.8%を示した。
以上の第1b/2相試験の結果より、小高雅人氏らは以下のように結論を述べている。”標準化学療法に不応・不耐な切除不能進行再発大腸がん患者に対するロンサーフ+アバスチン併用療法は16週無増悪生存率(PFS)40.9%を示し、忍容性も問題ありませんでした。”