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EGFR陽性進行性非小細胞肺がん患者に対するLazertinib、客観的奏効率54%を示す

この記事の3つのポイント
・EGFR陽性進行性非小細胞肺がん患者が対象の第1/2相試験
・Lazertinib単剤療法有効性安全性を検証
忍容性は問題なく、客観的奏効率は54%と良好

2019年10月3日、医学誌『The Lancet Onoclogy』にて、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬治療歴のあるEGFR陽性進行性非小細胞肺がん患者に対するEGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるLazertinib単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT03046992)の結果がSamsung Medical CenterのMyung-Ju Ahn氏らにより公表された。

本試験は、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬治療歴のあるEGFR陽性進行性非小細胞肺がん患者に対して21日を1サイクルとして1日1回Lazertinib 20mg、40mg、80mg、120mg、160mg、240mg、320mg単剤療法を投与し、主要評価項目として安全性、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証した第1/2相試験である。

本試験が実施された背景として、EGFR陽性進行性非小細胞肺がん患者(N=127人)に対するEGFRチロシンキナーゼ阻害薬は有効性があるものの、時間の経過と伴に耐性が獲得される。そのため、前治療歴のあるEGFR陽性進行性非小細胞肺がん患者に対しては新たな治療選択肢の確立が必要とされている。以上の背景より、新規のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるLazertinib単剤療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の結果、最も多くの患者で確認された全グレード有害事象(TRAE)は皮膚障害30%、そう痒症27%。また、グレード3または4の有害事象(TRAE)発症率は16%(N=20人)を示し、最も多くの患者で確認されたグレード3または4の有害事象(TRAE)は肺炎3%であった。また、重篤な有害事象(AE)発症率は5%の患者で確認されたものの、用量制限毒性DLT)を発症した患者は1人もいなかった。また、副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は54%(95%信頼区間:46%-63%)を示した。

以上の第1/2相試験の結果よりMyung-Ju Ahn氏らは以下のように結論を述べている。”EGFR陽性進行性非小細胞肺がん患者に対するEGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるLazertinib単剤療法の忍容性は問題なく、良好な抗腫瘍効果を示しました。”

Lazertinib in patients with EGFR mutation-positive advanced non-small-cell lung cancer: results from the dose escalation and dose expansion parts of a first-in-human, open-label, multicentre, phase 1–2 study(Lancet Oncol. 2019 Oct 03. pii: S1470-2045(19)30504-2. doi: 10.1016/S1470-2045(19)30504-2.)

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