・未治療の進行性非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
・ファーストライン治療としてのイミフィンジ+トレメリムマブ+化学療法の有効性・安全性を比較検証
・無増悪生存期間は化学療法群に比べて統計学的有意に改善し、臨床的意義のある有効性を示した
2019年10月28日、アストラゼネカ社プレスリリースにて未治療の進行性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬であるデュルバルマブ(商品名イミフィンジ;以下イミフィンジ)+抗CTLA-4抗体薬であるトレメリムマブ+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のPOSEIDON試験の主要評価項目、副次評価項目の結果が公表された。
POSEIDON試験とは、未治療の進行性非小細胞肺がん患者に対してイミフィンジ+トレメリムマブ+化学療法を投与する群、イミフィンジ+化学療法を投与する群、または化学療法を投与する群に分けて、主要評価項目としてイミフィンジ+化学療法群における無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、重要な副次評価項目としてイミフィンジ+トレメリムマブ+化学療法群における無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を比較検証した国際多施設共同ランダム化の第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目であるイミフィンジ+化学療法群における無増悪生存期間(PFS)は化学療法群に比べて統計学的有意に改善し、臨床的意義のある有効性を示した。また、重要な副次評価項目であるイミフィンジ+トレメリムマブ+化学療法群における無増悪生存期間(PFS)は化学療法群に比べて統計学的有意に改善し、臨床的意義のある有効性を示した。
一方の安全性として、イミフィンジ+化学療法群、イミフィンジ+トレメリムマブ+化学療法群の安全性プロファイルは既存の臨床試験で確認されている内容と一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。なお、イミフィンジ+化学療法群、イミフィンジ+トレメリムマブ+化学療法群とも治療中止率に変わりはなかった。
以上のPOSEIDON試験の主要評価項目、副次評価項目の結果を受けて、アストラゼネカ社・José Baselga氏は以下のようにコメントを述べている。”未治療の進行性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+抗CTLA-4抗体薬トレメリムマブ+化学療法、イミフィンジ+化学療法は無増悪生存期間(PFS)を統計学有意に改善しました。”
なお、もう1つの主要評価項目、副次評価項目である全生存期間(OS)の結果は2020年に解析結果が公表される予定である。