・進行性非小細胞肺がん患者が対象の第1/2相試験
・バベンチオ+Pepinemab併用療法の有効性・安全性を検証
・抗PD-1抗体薬治療中/後に病勢進行した患者29人のうち、2人の患者で部分奏効を確認
2020年2月6日~8日に米国・フロリダ州オーランドで開催された臨床免疫腫瘍学シンポジウム(ASCO-SITC Clinical Immuno-Oncology Symposium)にて、進行性非小細胞肺がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるアベルマブ(商品名バベンチオ;以下バベンチオ)+抗SEMA4Dモノクローナル抗体であるPepinemab (VX15/2503) 併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のThe CLASSICAL-Lung試験(NCT03268057)の結果がMoffitt Cancer Center and Research InstituteのMichael Rahman Shafique氏らにより公表された。
The CLASSICAL-Lung試験とは、進行性非小細胞肺がん患者に対して2週を1サイクルとしてバベンチオ10mg/kg+Pepinemab (VX15/2503) 5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg併用療法を投与し、主要評価項目として容量制限毒性(DLT)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを検証した第1/2相試験である。なお、本試験に登録された患者は抗PD-1抗体薬治療中、治療後に病勢進行した患者、抗PD-1抗体薬治療歴のない患者が含まれている。
本試験が開始された背景として、進行性非小細胞肺がんにおける免疫チェックポイント阻害薬は標準治療として確立したが、治療後に抵抗性を獲得し、効果不十分になる患者は以前として存在する。しかしながら、抗SEMA4Dモノクローナル抗体である Pepinemab (VX15/2503) は、免疫チェックポイント阻害薬の抵抗性に関係する抗体遮断により、抗腫瘍効果を活性化させる可能性が示唆されている。以上の背景より、本試験が開始された。
本試験の結果、抗PD-L1抗体薬バベンチオ+抗SEMA4Dモノクローナル抗体Pepinemab (VX15/2503)併用療法の忍容性は問題なく、新たに確認された重大な副作用はなかった。副次評価項目である抗PD-1抗体薬による治療中または治療後に病勢進行した患者29人における客観的奏効率(ORR)として、2人の患者で部分奏効(PR)が確認され、それぞれ63%と52%の腫瘍縮小を示した。また、15人の患者で病勢安定(SD)が確認され、少なくとも5人の患者は23週間以上の持続的な奏効を示していた。一方、抗PD-1抗体薬治療歴のない患者21のうち5人の患者で部分奏効(PR)、3人の患者は1年以上の持続的な奏効を示し、病勢コントロール率(DCR)81%を示した。
以上のThe CLASSICAL-Lung試験の結果よりMichael Rahman Shafique氏らは以下のように結論を述べている。”進行性非小細胞肺がん患者に対する抗PD-L1抗体薬バベンチオ+抗SEMA4Dモノクローナル抗体Pepinemab (VX15/2503) は、忍容性に問題ないことが確認されました。”