がん情報サイト「オンコロ」

未治療の局所進行性頭頸部扁平上皮がん患者に対するバベンチオ+標準化学放射線療法、無増悪生存期間を統計学的有意に改善せず

この記事の3つのポイント
・未治療の局所進行性頭頸部扁平上皮がん患者が対象の第3相試験
・抗PD-L1抗体薬バベンチオ+標準化学放射線療法の有効性安全性を標準化学放射線療法と比較検証
無増悪生存期間は、統計学的有意な差が確認されない可能性が示唆され、試験の早期中止が決定した

2020年3月13日、米ファイザーのプレスリリースにて未治療の局所進行性頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)患者に対する抗PD-L1抗体薬であるアベルマブ(商品名バベンチオ;以下バベンチオ)+標準化学放射線療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のJAVELIN Head and Neck 100試験(NCT02952586)の早期中止が公表された。

JAVELIN Head and Neck 100試験とは、未治療の局所進行性頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)患者(N=697人)に対してバベンチオ+標準化学放射線療法を投与後、維持療法としてバベンチオ単剤療法を投与する群、または標準化学放射線療法を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間OS)、客観的奏効率ORR)などを比較検証した国際多施設共同プラセボ対照ランダム化の第3相試験である。

本試験が開始された背景として、局所進行性頭頸部扁平上皮がんににおける治療方法の進歩はここ10年限定的である。未治療の局所進行性頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)に対して化学放射線療法により治療をしても、大部分の患者が再発を経験する。以上の背景より、複数のがん種に対して有効性を示している抗PD-L1抗体薬の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験のデータモニタリング委員会(DMC)による初回解析の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は標準化学放射線療法群に比べてバベンチオ+標準化学放射線療法群で統計学的有意な差は確認されない可能性が示唆され、JAVELIN Head and Neck 100試験の早期中止が決定された。

参照元:
ファイザー プレスリリース

×
モバイルバージョンを終了