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未治療の悪性胸膜中皮腫を対象としたオプジーボとヤーボイ併用療法、全生存期間を延長

4月21日、米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は未治療の悪性胸膜中皮腫(MPM)を対象に「ニボルマブ(商品名オプジーボ:以下オプジーボ)」と「イピリムマブ(商品名ヤーボイ:以下ヤーボイ)」の併用療法を評価した、第3相「CheckMate-743試験」のトップライン結果を発表した。

CheckMate-743試験は、MPM患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法と、化学療法ペメトレキセドシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)を比較評価した、多施設無作為化非盲検第3相臨床試験

同試験の中間解析において、オプジーボとヤーボイの併用療法が、化学療法と比較して、主要評価項目である全生存期間OS)を延長した。この結果は、統計学的に有意に、臨床的に意義のあるOSの改善である。副次評価項目は、奏効率ORR)、病勢コントロール率DCR)、無増悪生存期間PFS)、およびPDL1発現レベルに基づく有効性判定であり、同試験で認められたオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに認められているものと一貫していた。

なお、オプジーボとヤーボイの併用療法は、転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されている。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の胸部悪性腫瘍担当開発責任者であるSabine Maier氏(M.D.)は、「悪性胸膜中皮腫は悪性度の高い疾患であり、過去10年間において悪性胸膜中皮腫の治療における進展は限定的でした。CheckMate-743試験のトップライン結果は、オプジーボとヤーボイの併用療法が、未治療の悪性胸膜中皮腫患者さんの治療選択肢となる可能性を示しており、免疫療法薬の2剤併用療法が、複数のがん腫において示してきた有効性と安全性をさらに裏付けるものです」と述べている。

悪性胸膜中皮腫とは
悪性胸膜中皮腫は、肺の内側を覆う膜から発生する、悪性度の高い希少がん。アスベストへの曝露が発症の主な原因である。早期発見が難しく、診断された時には、多くの患者ですでに進行または転移が認められ、一般的に予後は不良。未治療の進行または転移性悪性胸膜中皮腫患者の生存期間の中央値は1年未満、5年生存率は約10%。

オプジーボとは
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬。2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬であり、現在、65カ国以上で承認されている。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっている。2014年にオプジーボの開発元である小野薬品工業と戦略的提携契約を拡張し、日本においても共同開発・商業化している。

ヤーボイとは
ヤーボイは細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CLTA-4)に結合する遺伝子組み換えヒトモノクローナル抗体T細胞の活性化を抑制する調節因子であるCTLA-4と結合し、CTLA-4とそのリガンドであるCD80/CD86との相互作用を阻害する。CTLA-4が阻害されると、腫瘍浸潤エフェクター細胞の活性化と増殖などが促されることが明らかになっている。また、CTLA-のシグナル伝達が阻害されると、制御性T細胞の機能が低下し、抗腫瘍免疫応答を含むT細胞の反応性が全体的に向上する可能性がある。ヤーボイは切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として50カ国以上で承認され、複数のがん腫では、幅広い開発プログラムが進められている。

参照元:
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社プレスリリース

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