・IDH1変異陽性のハイリスク骨髄異形成症候群/急性骨髄性白血病患者が対象の第1b/2相試験
・イボシデニブ+ベネクレクスタ±アザシチジン併用療法の有効性・安全性を比較検証
・全患者における複合完全寛解率78%、50%の患者で微小残存病変陰性を達成
2020年6月11日~14日、バーチャルミーティングで開催された第25回欧州血液学会議(EHA 2020)にてIDH1変異陽性のハイリスク骨髄異形成症候群(MDS)/急性骨髄性白血病(AML)患者に対するIDH1阻害薬であるイボシデニブ+BCL-2阻害薬であるベネトクラクス(商品名:ベネクレクスタ;以下ベネクレクスタ)±アザシチジン併用療法の有効性、安全性を検証した第1b/2相試験の結果がMD Anderson Cancer CenterのCourtney D. DiNardo氏らにより公表された。
本試験は、IDH1変異陽性のハイリスク骨髄異形成症候群(MDS)/急性骨髄性白血病(AML)患者(N=19人)を、イボシデニブ500mg+ベネクレクスタ400mg(コホート1)、イボシデニブ500mg+ベネクレクスタ800mg(コホート2)、イボシデニブ500mg+ベネクレクスタ400mg+アザシチジン75mg/m2(コホート3)に割り付けた非盲検非ランダム化第1b/2相試験である。主要評価項目として安全性、忍容性、客観的奏効率(ORR)を検証した。
本試験に登録された19人の患者の年齢中央値68歳。がん種は急性骨髄性白血病(AML)17人、骨髄異形成症候群(MDS)2人。急性骨髄性白血病(AML)の内訳としては再発難治性9人、新規5人、二次性急性骨髄性白血病(AML)3人。
評価可能であった18人の患者における本試験の結果は、複合完全寛解率(CRc:CR+CRi+CRh)78%。なお、複合完全寛解率(CRc)を達成した50%の患者で微小残存病変(MRD)陰性を達成した。
また、客観的奏効率(ORR)は未治療群100%、再発難治性群75%。コーホート別の客観的奏効率(ORR)はコーホート1で67%、コーホート2で100%、コーホート3で67%を示した。
以上の第1b/2相試験の結果よりCourtney D. DiNardo氏らは「IDH1変異陽性のハイリスク骨髄異形成症候群(MDS)/急性骨髄性白血病(AML)患者に対するIDH1阻害薬イボシデニブ+BCL-2阻害薬ベネクレクスタ±アザシチジン併用療法は期待のできる抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。