・HER2陽性の胃食道腺がん患者が対象の第1/2相試験
・margetuximab+キイトルーダ併用療法の有効性・安全性を比較検証
・用量制限毒性の発現はなく、客観的奏効率18.48%を示す
2020年7月9日、医学誌『The Lancet Oncology』にてHER2陽性の胃食道腺がん患者に対する抗HER2キメラモノクローナル抗体であるmargetuximabと抗PD-1抗体であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)併用療法の有効性、安全性、抗腫瘍活性を検証した第1/2相試験(NCT02689284)の結果がThe University of Chicago Medical Center & Biological SciencesのDaniel V T Catenacci氏らにより公表された。
本試験は、HER2陽性の胃食道腺がん患者(N=95人)に対して21日を1サイクルとしてmargetuximab 10~15mg/kg+キイトルーダ200mg併用療法を投与し、主要評価項目として用量制限毒性(DLT)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)などを検証した第1/2相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値19.9ヵ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である用量制限毒性(DLT)の発現は確認されず、本治療は忍容性が問題ないことが確認された。最も多くの患者で確認されたグレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)は貧血4%、インフュージョンリアクション3%、重篤な有害事象(SAE)は9%の患者で確認された。
副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は18.48%(N=17人,95%信頼区間:11.15%-27.93%)を示した。
以上の第1/2相試験の結果よりDaniel V T Catenacci氏らは「HER2陽性の胃食道腺がん患者に対する抗HER2キメラモノクローナル抗体、抗PD-1抗体の併用療法は相乗的な抗腫瘍効果があることが示されました」と結論を述べている。