・免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの転移性腎細胞がん患者が対象の第2相試験
・オプジーボ単剤療法後に経過観察する群とヤーボイ追加療法をする群の有効性・安全性を比較検証
・完全奏効率/部分奏効率を改善しなかった
2020年10月27日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの転移性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)単剤療法後の経過観察、抗CTLA-4抗体薬であるヤーボイ(一般名:イピリムマブ、以下ヤーボイ)療法の有効性、安全性を検証した第2相のOMNIVORE試験(NCT03203473)の結果がUniversity of California San DiegoのRana R. McKay氏らにより公表された。
本試験は、免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの転移性腎細胞がん患者に対して2週を1サイクルとしてオプジーボ240mg単剤療法を投与し、治療開始8、16、24週時点で評価判定を実施し、評価判定で完全奏効(CR)、部分奏効(PR)を確認した場合は経過観察する群(アームA)と、評価判定で病勢安定(SD)、病勢進行(PD)を確認した場合は3週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg+ヤーボイ1mg/kg併用療法を2サイクル投与する群(アームB)に振り分け、主要評価項目としてアームAではオプジーボ投与中止1年後の完全奏効率(CR)/部分奏効率(PR)、アームBではヤーボイ投与後の完全奏効率(CR)/部分奏効率(PR)を検証した第2相試験である。
本試験に登録された83人の患者におけるフォローアップ期間中央値19.5ヵ月時点における結果は下記の通りである。12人の患者がアームAに割り付けられたが、そのうち42%(90%信頼区間:18%-68%)に値する5人の患者が経過観察状態を継続した。57人の患者がアームBに割り付けられたが、そのうち4%(90%信頼区間:1%-11%)に値する2人の患者で部分奏効(PR)を確認、完全奏効(CR)は1人の患者も確認されなかった。
以上のOMNIVORE試験の結果よりRana R. McKay氏らは「免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの転移性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法後、奏効評価により抗CTLA-4抗体薬ヤーボイの追加療法は、完全奏効率(CR)/部分奏効率(PR)を改善しませんでした。また、経過観察療法については症例が少数のため、その結果について評価するのは困難です」と結論を述べている。