ファイザー株式会社は、2018年5月28日(月)、「EGFR*遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌(以下、「非小細胞肺癌」を「NSCLC」と略記)」の効能・効果で、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)ダコミチニブの日本国内における製造販売承認を申請いたしました。
*EGFR=上皮性細胞増殖因子受容体
目次
今回の申請は、国際共同第Ⅲ相ARCHER1050試験の結果に基づく
ARCHER1050試験(NCT01774721)は、未治療のEGFR活性化変異を有する局所進行性または転移性NSCLCの患者を対象とした、ダコミチニブとゲフィチニブを直接比較した国際共同フェーズ3試験。本試験は米国臨床主要学会学術集会(ASCO)2017で発表され、2017年9月25日にランセットオンコロジーに論文も発表
されている。
日本も参加した本試験において、ダコミチニブはゲフィチニブと比較して、
高い有効性と忍容性が確認されている。
ARCHER1050の有効性
臨床試験開始から22.1ヶ月時点での無増悪生存期間(PFS)の中央値は、ダコミチニブ群14.7カ月、ゲフィチニブ群9.2カ月で、病勢進行又は死亡リスクを49%減少させ(HR:0.51)、ダコミチニブ群はゲフィチニブ群と
比べ、優れた改善を示した。
また、ダコミチニブは、4月に米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)に、EGFR活性化変異を有する局所進行性または転移性NSCLCの
治療薬としての承認申請が受理されており、米国においてダコミチニブは、優先審査品目に指定されている。
ファイザー株式会社 医薬開発部門長 マリエピエール・ガスティノー氏は
「肺がん治療の進展により、EGFR活性化変異を有するNSCLCの治療選択肢は増えてきたものの、依然として治療困難な疾患であることは間違いありません。特に、日本を含むアジア人において、NSCLCに占めるEGFR活性化変異を有する割合は欧米と比較して高いことが疫学データから示されており、日本の肺がん治療における喫緊の課題となっています。
ダコミチニブは、臨床試験において、ゲフィチニブと比較して臨床的に意義のある無増悪生存期間の改善を示しました。国内におけるNSCLCの治療に、新たな治療選択肢となりうるダコミチニブを申請することができ、非常に嬉しく思います。
今回のダコミチニブの申請により、ファイザー株式会社としては、1月に申請したALK阻害薬ロルラチニブに続き、今年2剤目の肺がん治療薬を申請したことになります。今後も、革新的医薬品の提供を通じ、日本の肺がん患者さんに希望とかけがえのない時間をお届けできるよう、開発パイプラインの進展に尽力してまいります。」とコメントしている。
5月28日(火)ファイザー製薬プレスリリースはこちらから参照できる。
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2018/2018_05_28.html