・治療歴のあるdMMR、またはMSI-H転移性大腸がん患者対象の第2相のCheckMate-142試験
・オプジーボ+ヤーボイ併用療法の有効性を検証
・長期に渡り持続的な抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好だった
2019年1月17日~1月19日に米国・サンフランシスコで開催された消化器がんシンポジウム(ASCO GI 2019)にて治療歴のあるDNAミスマッチ修復機構欠損(dMMR;以下dMMR)、またはマイクロサテライト不安定性の高い(MSI-H;以下MSI-H)転移性大腸がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)併用療法の有効性を検証した第2相のCheckMate-142試験(NCT02060188)の長期フォローアップ結果が MD Anderson Cancer CenterのMichael J. Overman氏らにより公表された。
CheckMate-142試験とは、治療歴のあるdMMRまたはMSI-H転移性大腸がん患者(N=119人)に対して3週間を1サイクルとして1日目にオプジーボ3mg/kg+1日目にヤーボイ1mg/kg併用療法を4サイクル投与後、2週を1サイクルとして1日目にオプジーボ3mg/kg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象が発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として病勢コントロール率(DCR)、奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)などを検証した第2相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値25.4ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)58%(95%信頼区間:49%-67%,N=69/119人)、その奏効の内訳は完全奏効(CR)6%(N=7人)、部分奏効(PR)52%(N=62人)を示した。副次評価項目である病勢コントロール率(DCR)は81%(95%信頼区間:72%-87%,N=96/119人)、奏効持続期間(DOR)中央値は未到達を示した。
なお、前回公表されたフォローアップ期間中央値13.4ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)55%(95%信頼区間:45%-64%,N=65/119人)、副次評価項目である病勢コントロール率(DCR)は80%(95%信頼区間:72%-87%,N=95/119人)、奏効持続期間(DOR)中央値は未到達。
一方の安全性として、グレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は31%、グレードグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)により治療中止率は10%を示した。
以上のCheckMate-142試験の結果よりMichael J. Overman氏らは以下のように結論を述べている。”治療歴のあるdMMRまたはMSI-H転移性大腸がん患者に対するオプジーボ+ヤーボイ併用療法は、長期に渡り持続的な抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好でした。”