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標準化学療法抵抗性のある転移性大腸がん患者に対するロンサーフ+アバスチン、無増悪生存期間を統計学有意に改善

この記事の3つのポイント
・標準化学療法抵抗性のある転移性大腸がん患者を対象とした第2相試験
・ロンサーフ+アバスチン併用療法の有効性安全性を比較検証
無増悪生存期間中央値はロンサーフ単剤群の2.6ヶ月に対し、併用群は4.6ヶ月であった

2020年1月27日、医学誌『The Lancet Oncology』にて標準化学療法抵抗性のある転移性大腸がん患者に対する抗悪性腫瘍薬であるトリフルリジン・チピラシル塩酸塩(商品名ロンサーフ;以下ロンサーフ)+ベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相試験(2016-005241-23)の結果がOdense University HospitalのPer Pfeiffer氏らにより公表された。

本試験は、標準化学療法抵抗性のある転移性大腸がん患者(N=93人)に対して28日を1サイクルとして1~5、8~12日目に1日2回ロンサーフ35mg/m2+1、15日目にアバスチン5mg/kg併用療法を投与する群(N=47人)、または28日を1サイクルとして1~5、8~12日目に1日2回ロンサーフ35mg/m2単剤療法を投与する群(N=46人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)を検証した第2相試験である。

本試験が開始された背景として、標準化学療法抵抗性のある転移性大腸がんに対するロンサーフ単剤療法はプラセボ療法に比べて全生存期間OS)を統計学有意に改善することが示されている。また、第1/2相の小規模臨床試験にてロンサーフ+アバスチン併用療法の抗腫瘍効果が確認されている。以上の背景より、標準化学療法抵抗性のある転移性大腸がんに対するロンサーフ+アバスチン併用療法とロンサーフ+プラセボ併用療法の有用性を比較検証する目的で本試験が開始された。

本試験のフォローアップ期間中央値10.0ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はロンサーフ+アバスチン併用群4.6ヶ月(95%信頼区間:3.5‐6.5ヶ月)に対してロンサーフ単剤群2.6ヶ月(95%信頼区間:1.6-3.5ヶ月)、ロンサーフ+アバスチン併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを55%(HR:0.45,95%信頼区間:0.29‐0.72,P=0.0015)統計学有意に改善した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3以上の有害事象(AE)は下記の通りである。好中球減少症がロンサーフ+アバスチン併用群67%に対してロンサーフ単剤群38%。重篤な有害事象(SAE)発症率はロンサーフ+アバスチン併用群41%に対してロンサーフ単剤群45%。

以上の第2相試験の結果よりOPer Pfeiffer氏らは以下のように結論を述べている。”標準化学療法抵抗性のある転移性大腸がん患者に対するロンサーフ+アバスチン併用療法は、臨床的意義のある無増悪生存期間(PFS)の改善を示し、本患者に対する治療選択肢になり得る可能性が示唆されました。”

TAS-102 with or without bevacizumab in patients with chemorefractory metastatic colorectal cancer: an investigator-initiated, open-label, randomised, phase 2 trial

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