・未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者が対象の第2相試験
・R-CHOP療法+レビラミド(R2CHOP)併用療法の有効性・安全性を比較検証
・3年無増悪生存率は73%でR-CHOP療法61%に対して改善を認めた
2021年2月8日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するR-CHOP療法への免疫調整薬(iMids)であるレブラミド(一般名:レナリドミド、以下レブラミド)の上乗せ効果を比較検証した第2相のECOG-ACRIN E1412試験の結果がMayo ClinicのGrzegorz S. Nowakowski氏らにより公表された。
ECOG-ACRIN E1412試験とは、未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者(N=349人)に対して21日を1サイクルとしてR-CHOP療法(1日目にリツキシマブ375mg/m2+シクロホスファミド750mg/m2+ドキソルビシン50mg/m2+ビンクリスチン1.4mg/m2+1~5日目に1日1回プレドニゾン100mg/m2)を6サイクル投与する群(N=173人)、またはR-CHOP療法+1~10日目に1日1回レブラミド25mgを6サイクル投与する群(R2CHOP療法、N=176人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)などを比較検証した第2相試験である。
本試験が開始された背景として、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者の約40%は初回化学療法後に再発する。免疫調整薬(iMids)であるレブラミドは、再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対するR-CHOP療法へ上乗せすることで良好な抗腫瘍効果を示すことが確認されている。以上の背景より、未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するR-CHOP療法へのレブラミドの上乗せ効果を検証する目的で本試験が開始された。
本試験のフォローアップ期間中央値3年における結果は下記の通りである。評価が可能であった患者はR-CHOP療法で135人、R2CHOP療法で145人であった。主要評価項目である3年無増悪生存率(PFS)はR2CHOP療法73%に対してR-CHOP療法61%、R2CHOP療法で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを34%減少(HR:0.66、95%信頼区間:0.43~1.01)した。
副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はR2CHOP療法97%に対してR-CHOP療法92%、完全奏効率(CR)はR2CHOP療法73%に対してR-CHOP療法68%を示した。また、3年全生存率(OS)はR2CHOP療法83%に対してR-CHOP療法75%、R2CHOP療法群で死亡(OS)のリスクを33%減少(HR:0.67、95%信頼区間:0.43~1.01)した。
以上のECOG-ACRIN E1412試験の結果よりGrzegorz S. Nowakowski氏らは「未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するR-CHOP療法への免疫調整薬(iMids)レブラミドの上乗せ効果は、無増悪生存期間(PFS)を改善しました」と結論を述べている。