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再発/難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫に対するCD3/CD20二特異性抗体Mosunetuzumab+ポラツズマブベドチン併用療法、客観的奏効率65%を示す

この記事の3つのポイント
・複数治療歴のある再発/難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者が対象の第1b/2相試験
・Mosunetuzumab(モスネツズマブ)+ポラツズマブベドチン併用療法有効性安全性を検証
・全患者における客観的奏効率は65%、完全奏効率は48.3%を示した

2021年12月11日~13日に開催された、第63回米国血液学会(ASH2021)にて複数治療歴のある再発/難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)患者に対するCD3とCD20を標的とする二特異性抗体であるMosunetuzumab(モスネツズマブ)+抗CD79b抗体薬物複合体ポラツズマブベドチン併用療法の有効性、安全性を検証した第1b/2試験(NCT03671018)の結果がCity of HopeのL. Elizabeth Budde氏らにより公表された。

本試験は複数治療歴のある再発/難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)患者(N=63人)に対して21日を1サイクルとして1日目にポラツズマブベドチン1.8mg/kg+Mosunetuzumab(1サイクル目の1日目に1mg、8日目に2mg、15日目に60mg、2サイクル目の1日目に60mg、3~8サイクル目に1日目に30mg)併用療法を実施し、評価項目として客観的奏効率(ORR)、安全性などを検証した第1b/2相試験である。なお、本試験は再発/難治性インドレント/アグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を対象にした用量漸増パート(N=22人)、再発/難治性アグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を対象にした用量拡大パート(N=41人)に分かれている。

本試験に登録された63人の患者背景は下記の通りである。用量漸増パートは22人、用量拡大パートは41人。年齢中央値は68歳(20~83歳)。性別は男性62%。非ホジキンリンパ腫(NHL)の種類はde novoびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)が44人、濾胞性リンパ腫(FL)から進展したリンパ腫が12人、グレード3bの濾胞性リンパ腫(FL)が4人、グレード1~3aの濾胞性リンパ腫(FL)が3人であった。前治療歴レジメン中央値は3レジメン(1~10レジメン)。CAR-T療法歴は用量漸増パートが7人、用量拡大パートが17人。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

解析対象となった60人の追跡期間中央値53ヶ月における客観的奏効率(ORR)は65%(N=39人)、完全奏効率(CR)は48.3%(N=29人)を示した。このうち、CAR-T療法歴のある患者24人では客観的奏効率(ORR)は62.5%(N=15人)、完全奏効率(CR)41.7%(N=10人)を示した。

また、用量拡大パート41人の患者における客観的奏効率(ORR)は65.9%(N=27人)、完全奏効率(CR)は48.8%(N=20人)を示した。このうち、CAR-T療法歴のある患者17人では客観的奏効率(ORR)は64.7%(N=11人)、完全奏効率(CR)は47.1%(N=8人)を示した。

一方の安全性として、25%以上の患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。疲労が38%、末梢神経障害が33%、好中球減少症が33%、下痢が27%、吐き気が25%。5%以上の患者で確認されたグレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症が21%、疲労が6%であった。サイトカイン放出症候群CRS)は18%(N=11人)の患者で確認され、重症度はグレード1が10人、グレード2が1人で、サイトカイン放出症候群(CRS)を発症したすべての患者は投与1サイクル目で確認されている。

以上の第1b/2相試験の結果よりL. Elizabeth Budde氏らは以下のように結論を述べている。「複数治療歴のある再発/難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)患者に対するCD3とCD20を標的とする二特異性抗体Mosunetuzumab+抗CD79b抗体薬物複合体ポラツズマブベドチン併用療法は、臨床的に期待のできる抗腫瘍効果を示しました。また、この結果は前治療歴としてCAR-T療法を受けている患者さんに対しても同様の結果が得られました。安全性面では、サイトカイン放出症候群(CRS)を含め、管理可能な有害事象(AE)であることが確認されました」と結論を述べている。

Mosunetuzumab Plus Polatuzumab Vedotin Has Promising Efficacy and a Favorable Safety Profile in Patients with Relapsed/Refractory Aggressive B-Cell Non-Hodgkin Lymphoma: Updated Results from a Phase Ib/II Study(ASH2021 Annual Meeting&Exposition Abstract#533)

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