厚生労働省は、9月9日に薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が開催されると発表。がん分野も以下が審議予定であるが、どれも画期的新薬となり目が離せない。
これらの薬剤は、順調であれば、9月末から10月上旬ごろの承認が見込まれ、11月に薬価収載が了承される可能性がある。
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オプジーボと同系薬剤 ペムブロシズマブ(キイトルーダ) 日本で初登場
免疫チェックポイント阻害薬PD-1抗体キイトルーダ(キートルーダ)の承認の可否を審議することを発表。効能・効果は「根治切除不能な悪性黒色腫」となる。
キイトルーダ(キートルーダ)は、ニボルマブ(オプジーボ)と同類のPD-1抗体となり、二番手となるが、米国では既に「根治切除不能な悪性黒色腫」および「切除不能な非小細胞が肺癌」にて承認されている。
今回、適応は悪性黒色腫のみが審議されるが、すでに「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」でも承認申請されており、申請時期から逆算すると年内承認の可能性の可能性が残される。
なお、アメリカのジミー・カーター元大統領が悪性黒色腫脳転移となったが、キイトルーダ(キートルーダ)を使用して軽快が認められたことは有名な話である。
悪性黒色腫 免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ 日本承認申請
多発性骨髄腫初の抗体医薬SlAMF7抗体エロツズマブ(エムプリシティ)も登場
SLAMF7抗体(えすらむるふ抗体)であるエロツズマブ(エムプリシティ)も「再発・難治性の多発性骨髄腫」が効能・効果にて審議される予定。エロツズマブは、免疫活性を有する抗体であり、日本初の多発性骨髄腫に対する抗体医薬となる。
エロツズマブの作用機序
再発・難治性多発性骨髄腫 SLAMF7標的製剤 エロツズマブ 国内承認申請
T315I変異型にも著効する新世代BCR-ABL阻害薬であるポナチニブ(アイクルシグ)も登場間近
新世代のBCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬ポナチニブ(アイクルシグ)は「前治療薬に抵抗性・不耐容の慢性骨髄性白血病、再発・難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」の効能・効果で審議される予定。イマチニブ(グリベッグ)等の抵抗型で最も高頻度且つ難治性のT315I変異型にも著効している薬剤である。
慢性骨髄性白血病/急性リンパ性白血病 ポナチニブが日本にて承認申請 ~グリベック等のBCR-ABL TKI抵抗性にも著効~
BRAF遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに対するタフィンラー/メキニスト併用をオーファン指定なるか?
上記のほか、ダブラフェニブ(タフィンラー)およびトラメチニブ(メキニスト)を希少疾病用医薬品に指定するかどうかも審議する。「BRAF遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を予定する効能・効果としている。
記事:可知 健太
一次的にキートルーダ(キートルーダ)としています。