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小児の再発難治性固形がん/悪性リンパ腫患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ、悪性リンパ腫では抗腫瘍効果示すも…

この記事の3つのポイント
・再発難治性固形がん/悪性リンパ腫小児患者が対象の第1/2相試験
・抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法の有効性安全性を検証
・客観的奏効率ホジキンリンパ腫群で30%、非ホジキンリンパ腫群で10%を示したが、
 他のがん種では奏効が確認されなかった

2020年3月16日、医学誌『The Lancet Oncology』にて再発難治性固形がん/悪性リンパ腫小児患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT02304458)の結果がStanford UniversityのKara L Davis氏らにより公表された。

本試験は、再発難治性固形がん/悪性リンパ腫小児患者に対して28日を1サイクルとして1、15日目にオプジーボ3 mg/kg単剤療法を投与し、主要評価項目として最大耐用量(MTD)、安全性を検証した第1/2相試験である。なお、本試験は2つのコーホートに分かれており、コーホートAは1~18歳の再発難治性固形がん患者、コーホートBは1~30歳の再発難治性横紋筋肉腫、ユーイング肉腫骨肉腫、神経芽細胞腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、そして悪性黒色腫患者である。

本試験が開始された背景として、抗PD-1抗体薬であるオプジーボをはじめ免疫チェックポイント阻害薬の成人患者に対する有用性は明らかになっている。しかしながら、小児に対する免疫チェックポイント阻害薬の有効性、安全性データは不足している。以上の背景より、再発難治性固形がん/悪性リンパ腫小児患者に対するオプジーボ単剤療法の有用性が本試験で検証された。

本試験の結果は下記の通りである。コーホートAに登録された13人の患者の内12人で安全性評価がされ、用量制限毒性DLT)を発現した患者は1人も確認されなかった。また、パートBに登録された72人の患者の内63人で安全性評価がされ、7%(N=5人)の患者で用量制限毒性(DLT)が確認された。両コーホートの75人の内、最も多くの患者で確認された有害事象(AE)は貧血47%(N=35人)、疲労37%(N=28人)であった。

一方、有効性が評価された悪性リンパ腫患者における客観的奏効率(ORR)はホジキンリンパ腫群で30%(N=3/10人)、非ホジキンリンパ腫群で10%(N=1/10人)を示し、奏効を示した全ての患者でPD-L1発現が確認されている。なお、他のがん種では奏効が確認されなかった。

以上の第1/2相試験の結果よりKara L Davis氏らは以下のように結論を述べている。”再発難治性悪性リンパ腫小児患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法は抗腫瘍効果を示し、忍容性も問題ありませんでした。しかしながら、再発難治性固形がん小児患者に対してオプジーボ単剤療法は抗腫瘍効果を示さないことが本試験より確認されました。”

Nivolumab in children and young adults with relapsed or refractory solid tumours or lymphoma (ADVL1412): a multicentre, open-label, single-arm, phase 1–2 trialLancet Oncol. 2020 Mar 16. pii: S1470-2045(20)30023-1. doi: 10.1016/S1470-2045(20)30023-1.)

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