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再発/難治性B細胞リンパ腫にLoncastuximab tesirine(ADCT-402)単剤療法、客観奏効率45.6%を示す

この記事の3つのポイント
・再発/難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫の患者が対象の第1相試験
・Loncastuximab tesirine(ADCT-402)単剤療法安全性を検証
・客観奏効率45.6%を示し、第2相試験推奨用量は3週ごとに150μg/kgと決定

2020年11月19日、医学誌『blood』にて再発/難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫(B-NHL)患者に対して抗CD19抗体薬物複合体(ADC)であるLoncastuximab tesirine(ADCT-402)単剤療法の安全性を検証した第1相試験(NCT02669017)の結果がMedical College of WisconsinのMehdi Hamadani氏らにより公表された。

本試験は、再発/難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者(N=183人)に対してLoncastuximab tesirine(ADCT-402)15~200µg/kg単剤療法を投与し、主要評価項目として用量制限毒性DLT)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)などを検証した第1相の用量漸増/用量拡張試験である。

本試験が開始された背景として、 再発/難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫は予後が不良な疾患であり、現在のサルベージ療法として承認されている治療法の代わる治療法の開発が必要とされている。以上の背景より抗CD19抗体薬物複合体(ADC)であるLoncastuximab tesirine(ADCT-402)単剤療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の結果、主要評価項目である用量制限毒性(DLT)は4人の患者で確認、有害事象(AE)はLoncastuximab tesirine(ADCT-402)200µg/kgで多くの患者で確認され、最大耐用量(MTD)には達しなかった。なお、主な有害事象(AE)としては血液関連毒性であり、それ以外では疲労、吐き気、浮腫、肝酵素異常であった。以上の結果より、第2相試験推奨用量は3週を1サイクルとしてLoncastuximab tesirine(ADCT-402)150µg/kgとして決定された。

副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は45.6%を示し、完全奏効率(CR)は26.7%を示した。なお、B細胞リンパ腫別の客観的奏効率(ORR)はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)42.3%、マントル細胞リンパ腫(MCL)46.7%、濾胞性リンパ腫(FL)78.6%を示した。

全患者群における奏効持続期間(DOR)中央値は5.4ヵ月、完全奏効(CR)を達成したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫群は未到達であった。

以上の第1相試験の結果よりMehdi Hamadani氏らは「再発難治性B細胞リンパ腫患者に対する抗CD19抗体薬物複合体(ADC)であるLoncastuximab tesirine(ADCT-402)単剤療法は管理可能な安全性を示し、抗腫瘍効果も良好でした」と結論を述べている。

Final Results of a Phase 1 Study of Loncastuximab Tesirine in Relapsed/Refractory B-Cell Non-Hodgkin Lymphoma(Blood. 2020 Nov 19;blood.2020007512. doi: 10.1182/blood.2020007512)

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