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高頻度マイクロサテライト不安定性またはミスマッチ修復機構欠損がある未治療転移性大腸がん患者に対するファーストライン治療としてのオプジーボ+低用量ヤーボイ、客観的奏効率60%を示す

この記事の3つのポイント
・MSI-HまたはdMMRがある未治療転移性大腸がん患者が対象の第2相試験
オプジーボ+ヤーボイ併用療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率は60%を示し、65歳未満では64%、65歳以上では57%だった

2020年1月23日(木)~25日(土)に米国・サンフランシスコにて開催された米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(2020 Gastrointestinal Cancers Symposium)にて、 高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)がある未治療転移性大腸がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬である低用量イピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のCheckMate142試験(NCT02060188)の長期フォローアップの結果がKeck School of Medicine of USCのHeinz-Josef Lenz氏らにより公表された。

CheckMate142試験とは、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)がある未治療転移性大腸がん患者(N=45人)に対して2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg+6週を1サイクルとしてヤーボイ1mg/kg併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として主治医判断による客観的奏効率(ORR)を検証した第2相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値13.8ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は60%(95%信頼区間:44.3%–74.3%)を示した。また、サブグループ解析における客観的奏効率(ORR)は65歳未満群64%(N=14/22人)に対して65歳以上57%(N=13/23人)、ECOG Performance Status スコア0群52%(N=13/25人)に対してスコア1以上群70%(N=14/20人)、術前/術後化学療法療歴ある群63%(N=12/19人)に対してなし群58%(N=15/26人)を示し、年齢、ECOG Performance Status、前治療歴に関係のない奏効率が確認された。一方の安全性として、グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)発症率16%(N=7人)、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率7%(N=3人)を示した。

CheckMate142試験の結果よりHeinz-Josef Lenz氏らは以下のように結論を述べている。”高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)がある未治療転移性大腸がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法は、良好で長期的な抗腫瘍効果を示し、本患者の治療選択肢になり得る可能性が示唆されました。”

Nivolumab plus low-dose ipilimumab as first-line therapy in microsatellite instability-high/DNA mismatch repair deficient metastatic colorectal cancer: Clinical update.(J Clin Oncol 38, 2020 (suppl 4; abstr 11))

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