・プラチナ感受性でありBRCA1/BRCA2/PALB2遺伝子変異陽性進行性膵がん患者が対象の第2相試験
・維持療法としてのルカパリブ単剤療法の有効性・安全性を検証
・6ヶ月無増悪生存率59.5%、無増悪生存期間13.1ヶ月を示した
2021年5月10日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてプラチナ感受性でありBRCA1/BRCA2/PALB2遺伝子変異のいずれかを有する進行性膵がん患者に対する維持療法としてのPARP阻害薬であるルカパリブ単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03140670)の結果がUniversity of PennsylvaniaのKim A. Reiss氏らにより公表された。
本試験は、プラチナ感受性でありBRCA1/BRCA2/PALB2遺伝子変異のいずれかを有する進行性膵がん患者に対する維持療法として1日2回ルカパリブ600mg単剤療法を病勢進行するまで投与し、主要評価項目として6ヶ月無増悪生存率(PFS)、副次評価項目として安全性、客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、奏効持続期間)(DOR)、全生存期間(OS)などを検証した第2相試験である。
本試験に登録され、評価可能であった42人の患者における結果は下記の通りである。主要評価項目である6ヶ月無増悪生存率(PFS)59.5%(95%信頼区間:44.6~74.4%)を示した。
副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は13.1ヶ月(95%信頼区間:4.4~21.8ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は23.5ヶ月(95%信頼区間:20~27ヶ月)、客観的奏効率(ORR)41.7%(95%信頼区間:25.5~59.2%)、病勢コントロール率(DCR)66.7%(95%信頼区間:49.0~81.4%)、奏効持続期間(DOR)中央値は17.3ヶ月(95%信頼区間:8.8~25.8ヶ月)を示した。
以上の第2相試験の結果よりKim A. Reiss氏らは「プラチナ感受性でありBRCA1/BRCA2/PALB2遺伝子変異のいずれかを有する進行性膵がん患者に対する維持療法としてのPARP阻害薬ルカパリブ単剤療法は、良好な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。
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